コラム 愛着と定住願望は反比例? 神奈川・鶴見・港北
横浜市では45年前から毎年、市民意識調査を実施している。外国人を含む18歳以上の市内居住者3200人を対象とした今年度の回答者は、市全体で2316人、神奈川区128人、鶴見区156人、港北区217人。市内最多人口数の港北、3位の鶴見、6位の神奈川と上位を占める横浜北東3区における、住民の地域への意識をひもといてみる。
暮らしと愛着
「今のお住まいや周辺の環境をどのように感じていますか」という質問に対し、市全体では79・5%が「暮らしやすい」または「どちらかというと暮らしやすい」と回答。それに比べ、神奈川区83・6%、港北区82・0%と平均を上回ったが、鶴見区は77・6%と下回る結果に。さらに居住地区への愛着に関して、「愛着を感じている」と答えた人は市平均で67・8%と7割近く。暮らしやすさと同様、神奈川区69・5%、港北区72・8%と市平均を超えたものの、鶴見区は56・4%と下回った。居住者からは「横浜にも都内にも出やすい。愛着あり(20代女性・神奈川区)」「赤ちゃんからお年寄りまで住みやすい(40代女性・港北区)」「交通の便が良い。愛着はそこそこ(50代女性・鶴見区)」との声が上がっている。
定住意向は真逆
定住意向に関しては、「住み続ける」「たぶん住み続ける」と答えた人が市平均は66・6%。それに対し鶴見区は70・6%と平均超え。一方、港北区は63・6%と平均以下、神奈川区は市内18地区で最下位の59・4%と大きく下回った。暮らしやすさ、愛着と相反する結果だが、移転理由(市全体)の2割弱を占める「就職・転勤」や「家・マンションの購入」の該当者が多数派なのだろうか。
子どもや子育て世代が比較的多い3区。住みやすさに拘わらず、定住・移住の選択はこれからという人も多いのかもしれない。
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