「新横浜ラーメン博物館」(岩岡洋志代表取締役/館長)は、日本の食文化としてのラーメンを後世に伝えたいとの想いから、開館当初からラーメンの歴史に関する調査を進めてきた。その一環として、日本のラーメンブームの原点として認定した「淺草 來々軒」(1976年閉店)を創業から110年の時を経て14日、同館内に復活させた。
開店に先立ち、9日にはメディア向け発表会が開催され、報道関係者ら約50人が詰めかけた。岩岡館長は、同店三代目の故・尾崎一郎氏のインタビューや、新聞、書籍等の資料での調査について言及。「創業当時、來々軒に触れた新聞記事が多かった。しかも”大繁盛””圧倒的美味しさ”との表現が多数で、なぜそんなにも当時支持されたのか、どんな味だったのかという疑問から始まった」と復活プロジェクトの背景を解説。同店創業者の孫にあたる高橋邦夫氏と玄孫の雄作氏も登壇し、邦男氏は「父から1カ月の売上で家が1軒立つほどの繁盛ぶりだったと聞いていた」と当時のエピソードを披露。店は一旦閉店したが、当時の詳細な調査を元に新横浜ラーメン博物館から「ぜひ復活させたい」との打診を受け、ここまで調べたのであればぜひ協力したい、と快諾したという。また復活再現にあたり、東京ラーメンの有名店「支那そばや」の協力があったことで、実現に至ったとした。今回のプロジェクトが多数のメディアに取り上げられた影響もあり、現在、同館は入場者数が増加傾向。広報担当者は、「コロナ禍の前の水準にもう少しで届きそう」と話している。
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