港北区小学校体育研究会は11月11日、簡易テニス「テニピン」の研究授業を実施した。考案者の今井茂樹さんを講師に、区内小学校の体育教師らが競技を体験。新学習指導要領に基づく授業づくりのほか、コロナ禍の打開策としても教育現場への導入が期待される。
テニピンは、約40平方センチメートルのラケットを手袋のように手にはめてスポンジボールを打ち合う競技。都内の小学校教諭で日本テニス協会所属の今井茂樹さんが9年前に考案した。錦織圭選手もイベントでプレーするなど、初心者でも簡単な競技として注目を集め始めている。
教育現場では、学習指導要領の改訂にともない「バドミントンやテニスを基にした易しいゲーム」が例示された。しかし「具体的なものが浮かばない」というのが現場の声。そこで区と連携している慶應義塾大学庭球部の坂井利彰監督が橋渡し役となり研究会が開催され、区内26校から体育教諭らが参加した。
小学校体育におけるボールゲームでは、運動能力が低い子が「ボールに触れられない」「得点できない」といった課題があった。しかしテニピンは、交互に打つダブルス形式で実施。さらに最初の4球は必ずラリーを続ける(ミスした場合はそこから再開)するので、全員にプレー機会が保障される。「個が輝くスポーツ。苦手な子どもも、得点やショットを打つ楽しさを体験しやすい」と今井さん。
さらに現在は、新型コロナの影響でサッカーやバスケットボールといった密集を伴う競技の実施が難航。接触機会の少ないテニピンは「新たな選択肢として教育現場の可能性を広げられるのでは」と区の職員も期待する。テニピンを初めて体験した篠原小学校杉崎太雄教諭は「手軽な割に奥深い。場所や用具の問題も残るが、児童も楽しく取り組めそう」と課題と可能性を語った。
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