港北区三師会(港北区医師会・港北区歯科医師会・港北区薬剤師会)は、今月4日、「港北区糖尿病歯周病重症化予防医歯薬連携のための覚書」を締結した。これは、横浜市医科歯科連携事業の一環。港北区では薬剤師会も含めた三師会で連携するなど、独自の取組みが始まっている。
現在、生活習慣病である両疾病は、密接な相互関係にあると考えられている。糖尿病があると、免疫機能の低下や血流の悪化、唾液の減少などのため、歯周病になりやすく、歯周病は、インスリン作用を阻害するため糖尿病の悪化につながりやすいとされる。また逆に、糖尿病の改善により歯周病の進行が抑制されたり、歯周病をコントロールすることで、糖尿病のコントロール状態が改善する可能性が示唆されている。これらを踏まえ、2017年から糖尿病・歯周病重症化予防のため、横浜市医師会と同歯科医師会が協定を締結し、連携して患者の治療にあたる取組みが進められてきた。
連携のため委員会設置
港北区では、これまでこの協定に関して連携の手続きが煩雑であるなどの理由で、実績が伴っていなかったという。そこで、同三師会では、改めて糖尿病と歯周病の密接な関係を再認識し、同疾病の予防・早期回復の実現を目指し、19年12月に「港北区糖尿病歯周病重症化予防医歯薬連携委員会」を設置した。この委員会でより現実に即した調整が行われ、連携ツールとして(公社)日本糖尿病協会が発行する「糖尿病連携手帳」を使うとし、内科・歯科等のかかりつけ医が、互いに簡単に各患者の病状把握することなどが可能となった。また、これまでは歯科は連携登録医のみでの連携だったのが、医師会・歯科医師会全会員の連携が行われることとなった。さらに、薬剤師会も連携するのは市内では港北区のみの取組みとなっている。
手帳活用をチェック
今後は、3カ月に1回ほどを目安に、同委員会で手帳の活用状況をチェックしていく。港北区医師会の鈴木悦朗会長は「糖尿病は『〇〇科だけの病気』と断言しづらいもの」とし、「この病気は、日頃から歯科と眼科との連携が大切。これを機会に三師会が足並みをそろえて、患者ファーストで多方面から糖尿病を治療できるようにしたい」と期待を込める。同歯科医師会の片山繁樹会長は「昨年の12月に委員会を設置してから、コロナ禍もあり、ようやく覚書を締結することができた。連携手帳の導入はもちろん、全会員で連携することになったのも大きな成果」とする。区薬剤師会の高木健司会長は「患者さんに接する機会も多いので、医師・歯科医師・患者のつなぎ役となり、受診勧奨や連携手帳の活用を推進していきたい」と今後を見据えた。
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