高野優花さん（右）と山下莉音さん
学校法人高木学園英理女子学院高等学校（菊名）のｉグローバル部では持続可能な開発目標「ＳＤＧｓ」をテーマに、総合学習を行っている。昨年度、その研究の成果を北海道大学大学院の主催する「海の宝アカデミックコンテスト」に応募し、２位に入賞した高野優花さん（高３）と、グーグル等が協賛する「ＳＴＥＡＭ ＪＡＰＡＮ ＡＷＡＲＤ」（中高生による社会課題解決のアイデアコンテスト）で一次審査を突破した、山下莉音さん（高３）に話を聞いた。
米をプラスチックに
高野さんが取り組んだのは「海洋プラスチック問題」。クジラが大好きで、クジラの胃の中からプラスチックが見つかったというニュースから「自分にも何かできないか」とテーマを決めた。インターネットで、トルコの女子高校生がバナナの皮からプラスチックをつくったことを知り、その論文を参考に自然に還るプラスチックをつくることに。材料は日本をイメージさせる「米」。新潟県の親戚経由で、水害で売り物にならなくなった米を取り寄せた。高野さんによれば、植物性プラスチック製品は「植物は原料の一部で、石油原料の割合が多いものがほとんど」という。そこで、１００％米由来のプラスチックを目指し、高校１年の夏から１年間、校内の理科室で実験を重ねた。試行錯誤の上、米をおかゆにするなどの工程でようやく成功。コンテストに応募し、全国大会２位という結果を残した。「将来は、海洋生物学を学びたい」と高野さん。
制服をリメイク
山下さんがテーマに選んだのは「リメイク」。「まだ使えるものが大量に捨てられている」という現代社会の課題解決として考えた。「制服のリメイク」をメインにしたのは「卒業後は着なくなる」から。ただし、リメイクについてアンケートをとると「難しい」というネガティブな反応が多かったという。そこで山下さんは、制服のスカートから、ハサミやのりを使って簡単にｉＰａｄケースを作る過程等の動画を作成。オリジナルキャラクターが楽しくリメイクを紹介する４つの動画は、コンテストの２次審査まで進んだ（現在はＹｏｕＴｕｂｅからも視聴可能）。「家庭科の授業でもリメイクを教える社会になったらいいな」と山下さん。ＳＤＧｓの視点も持ちつつ、今後は生産者側の視点も学び、将来は商品開発に携わりたい、と笑顔を見せた。
プラスチックをつくるため、煮た米を網で濾す工程
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制服リメイクの紹介動画https://youtube.com/channel/UCd77xJTwJVNLvubwftx7P8g
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