地域の思いがつまった折り鶴に手を添える田中さん（6月26日、城郷小机地域ケアプラザで）
周辺住民や団体、事業所等から集められた折り鶴を各会場に展示することで、地域の一体感を強めようとするプロジェクトが今、城郷地区を主な舞台として進められている。現在、城郷小机地域ケアプラザでは、地域の思いがつまった２万羽を超える折り鶴が”羽ばたく”瞬間を待っている。
コロナ終息も願う
「城郷Ｏｌｅプロジェクト〜鶴を折ろう」と銘打った企画にはまた、コロナの終息を祈り、皆で頑張ろうとのメッセージが込められている。地域一体の企画とあって、プロジェクトには、城郷小机地域ケアプラザのほか、地域の連合町内会、商店街組合、老人クラブ連合会、各ボランティア団体が共催として名を連ねている。
発案は同地域ケアプラザ地域交流コーディネーターの田中咲子さん。これまでも同様の主旨で地域から作品を集めて展示するキャンドルナイトや桜サクプロジェクトを催してきた。
今年３月から４月にかけて行われた桜サクプロジェクトは、こどもから年配者まで多世代の参加者が作った桜のペーパクラフトを、同地域ケアプラザに飾り付けた企画。それを見た地域住民らから「コロナでお花見に行けない中、近くで綺麗な花を見ることができた」との声が聞かれるなど、コロナ禍で制限を余儀なくされた生活に潤いをもたらした。
第３弾となる今回、折り鶴の企画に決めたのは、「過度な負担にならず、多くの人が気軽に参加できるから」（田中さん）。ある施設のイベントで使用する予定だった白色、水色、黄色、黄緑色のＡ３用紙５０００枚を港北区社会福祉協議会を通して入手し、１枚を４枚の正方形に裁断することで、計２万枚の折り紙を用意した。
99団体が参画
参加の呼びかけに対しては快諾が多く、99団体に折り紙を配した。当初は折り鶴が完成したころ回収に出向く予定だったが、同地域ケアプラザに持ち込む参加者が多かったという。
地域の個人や高齢者施設からの寄付もあり、最終的に集まった折り鶴の数は２万７００羽。これらをおよそ20〜30羽１組で紐でつるし、周辺会場に展示する。会場は同地域ケアプラザのほか小机駅、信用金庫、郵便局、商店街店舗等。展示期間は７月20日から８月20日までを予定している。
６月26日には、地域の民生委員・児童委員、青少年指導員、城郷お助け隊、小机小学校おやじの会等から約20人が同地域ケアプラザに集まり、折り鶴を一羽一羽、針に通した紐でつなぐ作業を行った。木工店を営み、会場設営にも関わっている櫻井久治さん（57）もこの日参加した一人。「年齢にかかわらず参加でき、街おこしにもなるのでは」と、次々と折り鶴に紐を通していた。
「子どもたちも鶴を折ってくれたので、幅広い年齢層が参加する企画となった」と話す田中さん。「（イベント等で集まれなくても）この取組みによって地域への意識が高まり、より強い一体感につながれば」と期待を込めた。企画を共催する小机商店街協同組合の宮本正義理事長は「地域総ぐるみの企画と聞き、地域の団体である商店街としてコロナ終息の願いも込めて参加した。この取組みが明るい話題になれば」と話していた。
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