八杉神社(照本禎宮司/大豆戸町239)が10月3日に創立70年を迎えた。節目を祝し、隣接する本乗寺とともに、記念書籍も刊行される。編纂の中心となった村上芳信さんは「寺社の歴史を学ぶことで地域を知れる。本を通じて郷土愛を育みたい」と話す。
八杉神社は今から70年前、現在と同じ所在地にあった八王子社と杉山神社(ルームズ大正堂新横浜店付近)が合併する形で誕生した。創立日ちょうどとなった3日には、創立70周年記念大祭式を実施=写真。照本宮司の神事に加え、大豆戸地域に継承されてきた大豆戸囃子・神楽の記念演技も披露された。
本乗寺と共同で
今回は周年記念事業として書籍を発行。宗祖降誕800年となった隣接する大寶山本乗寺(渡邉言之住職)と共同で、寺社の歴史と地域の変遷を綴る『わが町大豆戸の寺社 本乗寺・八杉神社』が12月に上梓される。
契機を作ったのが、地域総合誌『蘖(ひこばえ)』を発行する大豆戸在住の村上芳信さん。教員を退職後、地域演劇や無料学習塾などを主宰していた村上さんが、塾の会報の企画として寺社に目をつけ、写真撮影や資料収集を行った。年明けに完成した紙面を、同神社奉賛会副会長の小谷田作夫さんが見て「素晴らしい内容なので、節目の記念に書籍化しよう」と小泉正さん・黒沢一雄さん(本乗寺)、岡本直美さん(蘖)を加えた5人で編纂刊行委員会を2月に発足した。
書籍には、数多くの写真や資料がカラーで収められ、70年以上前の貴重な写真なども。また、実地調査では、合併後に杉山神社の社殿が熊野神社を経て現在の十二神社(緑区)に伝わったことなど新たな発見もあったという。制作に携わった大倉精神文化研究所の平井誠二理事長は「神社と寺院が協力して記念誌を作るのは意義深い。また、委員が丹念に足で調べた記録であり、未来へと続く貴重な財産となるはず」と太鼓判を押す。
村上さんも「調査を通して大豆戸の街が大好きになった。寺社の歴史を通し地域を知り、郷土への愛を深めてもらいたい」と期待を口にした。
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