横浜市立太尾小学校のマーチングバンドが11月に行われたマーチングバンド関東大会で金賞を獲得し、12月11日にさいたまスーパーアリーナで行われる全国大会へ児童55人が出場する。18日には都内で開催されるジャパンカップにも出場する同校。コロナ禍での練習を乗り越え金賞を目指す。
大会は(一社)日本マーチングバンド協会の主催。同校は新型コロナウイルス流行前の2019年まで全国大会で10年連続の金賞を獲得し、強豪校として知られている。前回の全国大会にも参加しているが、その際はコロナ禍のため動画での講評で行われ、グッドパフォーマンス賞・グッドミュージック賞・グッドビジュアル賞のいずれかが、出場校全てに与えられる方式に。今回も同様の表彰方式となっているが、会場で演奏演技が行われる。
今年は、新入部員を交え3年生から6年生のメンバーで5月中旬に練習をスタートしたが、市立小学校の感染対策の方針から夏休み中の8月からは部活動はできず、休校が明けた9月も活動休止に。10月から1カ月ほどの練習で同月末の県大会を迎えた。
初めて楽器を触る部員もいるなか、練習は週2、3日で1日2時間ほどとなり、練習量は以前の3分の1程度に。各自で自主練習をするも楽器演奏可能な施設は予約停止となるなど、場所探しにも苦心した。
それでも児童は各自、鶴見川の河川敷で練習するなど工夫し、県大会、関東大会を乗り越えてきた。中川和泉部長(小6)は「練習前には目標を紙に書いて達成できるようにするなど、指摘される前に全員が自分から行動できるよう心掛けてきた」と話す。
全国大会で同校が演奏するのは、映画『ハリー・ポッター』のテーマ曲。映画に出てくる魔法魔術学校の世界観を音と演技で表現する。手作りの窯や試験管など、小物も取り入れつつ、不思議な世界の楽しい雰囲気に包み込む。
顧問の齋藤竜佑教諭は「太尾小らしい力強い演奏、切れの良い動きに加え、子どもたちの可愛らしい演技が見どころ」と話す。全国大会後に出場する(一社)ジャパンカップM・B組織委員会主催のジャパンカップでは、昨年2位だったことから今回は1位が目標。「コロナ禍で時間もないなか自分たちの力で成長してきた。大会も一番の良い演技で一番の思い出にしてほしい」と齋藤教諭。中川部長も「一人一人悔いのないよう最後まで全力で頑張ります」と語った。
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