戸塚区は11月14日、地域防災力強化事業の一環で防災講演会を開催し、会場の戸塚公会堂にはほぼ満員となる約450人の観客が集まった。
講師の福島県職員の天野和彦氏は東日本大震災発生後、約2500人を収容した「ビッグパレットふくしま避難所」(郡山市)の運営に県庁運営支援チームの責任者として従事。震災から約1カ月後に訪れたビッグパレットで見た被災者の無気力な姿に、「人間はこんなにすぐだめになってしまうのか」と感じたという。
しかしある日、被災者の男性が支援物資のコーヒーメーカーでコーヒーをいれ始めると、漂う香りに次々と人が集まった。避難所の職員がそこにテーブルを置くと喫茶室と名付けられ、男性はいつしか「マスター」と呼ばれるように。さらに自主的に掃除を始めたり、飾る花を持ってきてくれる人が現れるなど、自分の役割を探して動く人が増えたという。
福島大学特任准教授として被災者のコミュニティー形成の調査・研究にもあたる天野氏は、「人が集まり助け合うなかで自然と自治が生まれた。だめになんかなっていなかった。皆、活動の場を求めていた」と話した。また、ボランティアによる足湯サービスの提供で被災者同士の会話も生まれたことも紹介し、避難所での交流の場の提供や自治活動促進の大切さを訴えた。
講演を聞いた杉崎勝夫さんは、「災害時に何ができるかは、日ごろからの隣近所の関係が大事だと改めて感じた」と話していた。
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