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取材協力/医療法人沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院 医療レポート【2】 前立腺がんの放射線療法について 新たな治療装置を導入
2010年9月に鎌倉市岡本に移転した湘南鎌倉総合病院(塩野正喜院長)。同市をはじめ近隣地域の中核的な総合病院としての役割を担う。同院が診療に注力する疾病の一つが、近年患者数が増加傾向にある「前立腺がん」だ。治療への取り組みについて同院の医師に取材した。
同院では、転移が無い前立腺がんに対し、治療方針の一つとして放射線療法を採用している。
「手術に比べると身体的な負担が少なく、高齢の方や、過去に腹部手術を行っている方でも受けることができます。原則的に、外来通院で治療します」と同院放射線腫瘍科部長の大村素子医師は話す。
前立腺がんの放射線療法には、体の外側から放射線を当てる「外照射法」と内側から当てる「組織内照射法」があり、同院では外照射法を採用。その中でも、欧米では標準療法となりつつあり、日本でも近年急速に普及し始めている「強度変調放射線治療(IMRT)」と呼ばれる治療法を用いている。
「ピンポイント照射」で正常組織の被ばくリスクを減少
従来の放射線療法は、がん細胞だけでなく、直腸など周辺の正常な組織にもダメージを与える可能性があることが課題とされていた。
放射線の量と形を細かく変化させて、腫瘍に集中させるIMRTは、その周囲にある正常な組織への放射線量を従来よりも減らすことができる照射方法だ。
このIMRTの専用機器としてアメリカで開発された放射線治療装置=下写真=を、同院では2010年の施設移転に伴い、神奈川県内で初めて導入した。
この装置では、コンピューターで放射線照射の設計図を作成し、照射したい部分、避けたい部分の調節ができ、さらに細かな線量を設定できる。また、搭載されたCTスキャナーで腫瘍の位置を確認し、ずれを補正して、精密な照射ができるようになった。
これによって、従来の放射線治療では引き起こされる可能性があった、直腸からの出血などの合併症の危険性が軽減されたという。
世界標準の医療施設に認証救命救急・外国人患者受け入れも強化
同院は1988年11月に徳洲会グループ25番目の病院として鎌倉市山崎に開院、2010年9月に現在の岡本に新築移転した。48診療科、574病床を有し、湘南地域の中核的総合病院としての役割を担っている。
救急医療体制の確保・向上にも注力する。10年・11年度と同院に救急搬送された患者の入院受け入れ件数は2年連続で国内最多。今年4月には神奈川県から、民間病院として初となる救命救急センター指定を受け、「断らない救急」を実践する。今後、救命救急センターや手術室の拡張も視野に入れる。
また、昨年10月には国際的な医療施設評価機構である「JCI」の認証を全国4番目に、今年3月には外国人患者受け入れ医療機関の認証(JMIP)を全国で初めて取得。「生命だけは平等だ」という理念哲学のもと、より質の高い医療の提供を目指している。
「この病院で治療して良かった」と言われる医療を放射線腫瘍科部長 大村素子医師
―放射線腫瘍科では、どのような診療をされているのですか。
「がんの放射線治療を専門とする診療科です。一部の部位を除いたがん全般に対して治療を行っています」
―放射線治療には副作用はあるのですか。
「照射した部位に副作用、後遺症が起こる可能性はありますが、治療機器の発達に伴って、その危険性は軽減されています」
―大村医師の診療方針を聞かせてください。
「機器そのものによる技術以上に、『この病院で治療して良かった』と思っていただけるような、心を込めた医療を心がけています。患者さんとの信頼関係を大切にしています」
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4月18日