「横浜市南西部地域中核病院」として、地域医療のため様々な取り組みを行っている国立病院機構横浜医療センター(原宿)。とりわけ「2025年問題」(※)に向けて力を入れるのが医療人の育成だ。院内に「横浜医療センター附属横浜看護学校」を設置し、地域で活躍する看護師を育てている。同センター院長兼学校長の鈴木宏昌氏に聞いた。
◇ ◇ ◇
――これから医療機関に求められるものとは。
「医療機関にとって、医療人の育成は大きな使命のひとつ。とくに看護師の育成は重要です。神奈川県は看護師が人口あたり少ない県のひとつであり、少子化の影響で目指す人も多いとは言えません。地域の医療機関として、なんとかして力を入れなければなりません。
当院は地域の各病院から高度な治療を求める患者が訪れます。特にレベルを上げていかないと地域の要望に応えられません。看護師を自分たちで育てることはますます重要となっていくと考えます」
――看護師の役割は時代と共にどのように変わっているのでしょうか。
「看護師は、患者さまはもちろん、ご家族とも接しながら働く仕事。IT技術が進歩すると医者の仕事は減るといわれますが、看護師は人と人とが触れ合うという点で減ることはないとされます。
今後は、ドクターカーやドクターヘリなどで救急の最前線に赴き、活躍する看護師の存在が求められます。一方で、高齢者を看病する介護に近い分野や、認知症・感染症・精神科など専門性を発揮する看護師の存在も重要です。今後もさらに役割は細分化していきます」
――そんな中、具体的にどのような教育をしているのでしょうか。
「当学校は病院と隣接しているので、現場の看護師や医師と触れ合う機会が多いのが特徴です。現場の看護師がじっさいに先生としてやってきます。憧れの先輩が身近にいて、5年・10年後の将来を描きながら学ぶことができます。私たちは3年制の専門学校ですが、学術的な分野を学ぶ4年制の看護大学とは違った側面……『看護の現場』にたくさん触れることができる。その強みを発揮していきたいです」
――どのような学生を求めていますか。
「やはり看護師は患者さまやご家族と接するという意味でコミュニケーション能力が大切です。3年間の学びをベースに、専門家としてステップアップしてきたいと考える方をサポートしていきたいと考えています」
※2025年問題…団塊の世代が後期高齢者となることで医療・介護において様々な問題が生じるとされている
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