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禅と医療 ―その関係性を考察―
天本 私は先生の患者ですが、おそらく「いしずえ整形外科」には、1日200人くらい患者さんが来院していると思います。医師として、いま、感じていることはありますか。
大久保 私が医者になった頃と比べると患者さんの層・病気が変わりました。整形外科医が取った統計では、30年前だと50歳代が多かった。ところがいまは70歳代が一番。これは当院も同じです。また、昔と今では人体そのものが違ってきていると感じます。例えば腰の疾患は30年前は、ほとんどが椎間板ヘルニアでしたが、いまは、高齢の方の腰部脊柱管狭窄症が増えています。
天本 現代病ということですか。
大久保 そうです。それに合わせて手術も、治療法も、お薬も変化しています。一方で高齢者の骨折は依然多い。「健康寿命が大切」との認識は周知されているものの、それがうまくいっていない。骨折を防ぐ体操を取り入れるなど、予防面の強化が一層必要です。
臨床数の多さ特徴
天本 先生は大学病院をはじめ、さまざまな場で経験、研さんを積まれましたので、臨床数が多いのが特徴です。
大久保 医局の配置で色んな病院に行きました。得意じゃない分野にいくこともあるんですが大事なことは、一生懸命やること。努力することです。それが技術習得の秘訣。私はその都度工夫をしてきました。リハビリも力を入れ、それで「人間の動き方」がよくわかり、「NPO法人 骨・関節研究会」の立ち上げにつながりました。
股関節の専門家へ
天本 手術の技術はどこで習得したのですか。
大久保 最初は横浜市民病院で人工股関節手術の大家の先生に教えを受けました。次に関東労災病院の恩師には「骨きり術」を学びました。これは骨をきって形をかえる手術法で非常に難しい。そもそも日本人は骨盤の関係で股関節が壊れやすいんです。それを治療する「骨きり術」は骨をきって関節を作り替えます。その技術習得には本当に力を注ぎました。私は横浜市では最初にAPS(関節再生治療)を行い、全国で7番目の症例数があります。そうしたことから、自然に股関節の専門医師と周囲から見られています。偶然ですが親が変形性股関節症に罹ったことから、私が人工股関節の手術をしています。また、骨粗しょう症治療例では、注射薬数は県内最多です。
天本 禅画研究会では座禅を必ず組みます。正しい姿勢で座って精神を整えて「調息・調心・調身」をして瞑想すると、良い作品が生まれます。
大久保 主催する体操クラブで瞑想を取り入れたところ、大きな効果が出たと聞いています。
天本 禅は精神の領域ですが、整形外科医として心と体の関連性はあると思いますか。
大久保 もちろんあると思います。なぜかというと、当院の年間患者数は毎年6月が一番多い。常になぜかと考えてきました。結論は、春は入学・入社、引っ越しと新しい環境を迎える方が多い。それがひと段落するのが6月です。合わせて梅雨で天候もよくなく、体が不具合を起こすのではないか。体と心のバランスがくずれるのでしょう。また、若い女性の方でも生活が安定していると肩こりなどの症状が取れやすい。仕事が変わったり、担当部署が変わったりするとスッと痛みが取れる方もいます。
天本 身心は一体なんですね。医師のひとことで痛みがやわらぐことがある。禅ではそれを「以心伝心」と表現します。患者と医師の意思伝達が円滑にできるといいですね。ところでこれから行いたい医療は。
大久保 当院は「3テスラMRI」を導入しています。それを駆使しながら、脊椎、肩、膝関節の精査治療を極めていきたいですね。また、肩関節の病気について治療開始が遅いため治療改善に難渋しています。もっと早く来院してほしいと思います。また、パンピング療法を含む注射療法も行っています。東洋医学にもとづくリハビリテーションを選択できることも特徴ですね。整形外科で理学療法と東洋医学(鍼灸)を選べるリハビリテーション施設は近隣では見当たらないと思います。
「ここから始めよう」
大久保 検査、リハビリの充実も進めます。医師の数を増やし、技術力を高め、患者さんに還元したい。また、技術的連携を大学病院と行い、より充実した医療を提供していきます。当院名の「いしずえ」は、「ここから始めていこう!」という意味を込めて命名しました。「患者さんたちに何かプラスのことができないか」を追求することが私の信条です。戸塚に開院して10年が経ちました。これからも地域医療への貢献に努めていきます。
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4月18日