神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
高津区版 公開:2012年4月13日 エリアトップへ

蟹ヶ谷で前方後円墳発見 市内で唯一現存

公開:2012年4月13日

  • LINE
  • hatena
今後調査が進む蟹ヶ谷の前方後円墳
今後調査が進む蟹ヶ谷の前方後円墳

 川崎市教育委員会は3月29日、高津区蟹ヶ谷の古墳群から、6世紀ごろ造られたとみられる前方後円墳を発見したと発表した。市内に残る唯一の前方後円墳。専修大学などの研究者らと川崎市民ミュージアムが連携し、今後5年をかけて調査を進める。

 蟹ヶ谷では1976年までに古墳3基が見つかっており、昨年、このうち1基が前方後円墳と判明した。この前方後円墳は全長30メートル、高さ2メートル。市の古代史の解明につながる発見だという。

 市教委によると、現地は竹やぶが繁茂し、古墳の形状の確認が困難だった。昨年の東日本大震災発生後、同委と市民ミュージアムが現地の被害状況の確認と古墳群の調査を実施した結果、前方後円墳と判明。6世紀ごろに造成された可能性が高いことが分かった。

 今年、専修大学と日本大学の研究者からなる多摩川流域遺跡群研究会と市民ミュージアムが連携し、前方後円墳の本格的な調査研究に乗り出した。2012年度から2016年度にかけ、古墳の清掃、発掘調査などを進めるほか、現地見学会も開催するとしている。

豪族の動向知る手がかり

 前方後円墳は、大和政権時代に有力豪族の墓として用いられたとされている。

 蟹ヶ谷古墳群の前方後円墳は、6〜7世紀にこの地で権力を振るった有力豪族の墓とみられる。同古墳群がある矢上川流域では、加瀬台古墳群や梶ヶ谷古墳群など複数の古墳が発見されており、蟹ヶ谷古墳群の調査は井田・蟹ヶ谷地域で勢力を誇った豪族の動向を知る手がかりになるという。

 多摩川流域遺跡群研究会の浜田晋介教授(日本大学)は「多くの謎を秘めている古墳だ。この地方を治めていたトップクラスの地位の人物の墓ではないか。今後、冠や耳飾りなどの副葬品が出土する可能性がある」と話す。

 古墳群からほど近い場所に勤務する女性は「(これをきっかけに)この古墳を地域の人にとっての財産として大事にしていきたい」と話した。
 

高津区版のトップニュース最新6

溝口神社で「こどもフェス」

4月29日

溝口神社で「こどもフェス」

SDGs関連の試みも

4月26日

飛鳥時代の倉庫復元

橘樹官衙遺跡群

飛鳥時代の倉庫復元

「歴史公園」来月オープン

4月26日

市制100年で1万発に

多摩川花火大会

市制100年で1万発に

今年の開催概要決まる

4月19日

「おいしさの技術」に迫る

県立川崎図書館

「おいしさの技術」に迫る

「食」テーマの企画展、話題に

4月19日

「川崎の町名」改訂版発行

日本地名研究所

「川崎の町名」改訂版発行

新たな「由来」などを反映

4月12日

「しあわせ職場賞」に喜び

久地「日本理化学工業」

「しあわせ職場賞」に喜び

障害者の働き甲斐、支援

4月12日

あっとほーむデスク

  • 5月20日0:00更新

  • 4月15日0:00更新

  • 4月8日0:00更新

高津区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

高津区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月26日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook