川崎市と洗足学園音楽大学(万代晋也学長)は8月29日、帰宅困難者の一時滞在施設の利用に関する協定を締結した。同大学は、学内施設に帰宅困難者最大約150人を受け入れる。市が区内の民間施設と協定を結ぶのはこれが初めて。
同大学が一時滞在施設として提供するのは、カレッジセンター地下2階の客席部分(約870平方メートル)。約150人を収容でき、高齢者、子ども連れの女性などを優先して受け入れる。有事の際は区から必要な数量の飲料水、防寒シートが搬入されるほか、水道水やトイレなども可能な範囲で利用者に提供する。
締結式では、万代学長と秋岡正充区長が協定書を交わした。万代学長は「備えあれば憂いなし。市の協力でソフト、ハード両面での備えができて嬉しい」、秋岡区長は「『3・11』では、区内の駅などに多くの帰宅困難者が発生した。一時滞在施設を充実し、より実効性のある態勢を作るよう努力していきたい」と語った。締結式には、日々多くの乗降客が利用しているJR武蔵溝ノ口駅の松本好行駅長、東急溝の口駅の西川譲駅長も出席。市と大学の協力態勢に期待を寄せた。
一時滞在施設、区内に7カ所
高津区役所危機管理担当によると、東日本大震災の発生当時、高津区内では久本小学校、橘小学校、高津中学校、高津スポーツセンターの4カ所に避難所を開設。帰宅困難者ら計343人が利用した。
大震災の後、区内では高津市民館、高津図書館、総合教育センター、川崎市子ども夢パーク、川崎市生活文化会館、川崎市大山街道ふるさと館の6公的施設が帰宅困難者の一時滞在施設に指定された(計約2000人収容可)。今回の協定で施設は7カ所になった。
東日本大震災発生当時、市内の施設を利用した帰宅困難者数は約5500人に上った。今年9月1日現在、市内には公的、民間合わせ25カ所の一時滞在施設があり、計約1万4000人の受け入れが可能だという。
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