各区の保健福祉センターに寄せられている犬猫などに関する苦情・相談で、飼えなくなってしまった、迷ってしまった犬猫の「引取り依頼」が増加傾向にあるという。引き取られた犬猫は、飼い主が見つからなければ殺処分されるため、川崎市では「最期まで責任をもって飼ってほしい」と呼びかけている。
２０１２年度に、市内の保健福祉センターに寄せられた犬猫に関する苦情・相談件数は３２５９件。10年度は３４２１件、11年度は３３４５件で年々減少傾向だった。
しかし「引取り依頼」は増加傾向にある。犬は10年度が81件、11年度が１０５件、12年度が１２７件。猫では10年度が２３３件、11年度が３５２件、12年度が３８８件だった。
引取り依頼が増えている要因として市の担当者は「一概には言えないが、ペットを簡単に購入できる機会が増え、先を考えず飼う人も多いのでは」と話す。「引越しで」「一緒に飼っていた彼女と別れたから」など飼い主の都合で手放す人も少なくないという。
引き取られた犬猫は、一時、動物愛護センターに収容されるが、所有者や新しい飼い主が見つからなければ殺処分される。12年度に殺処分された犬は13頭、猫は２５３匹に及ぶ。
市では、動物愛護センターに収容されているペットに新しい飼い主が見つかるよう市民見学を随時受け入れているほか、犬猫の譲渡会なども行っている。それでも全頭飼い主が見つかることはない。担当者は「改めて動物の命の大切さを認識してもらい、最期まで責任をもって飼ってほしい」と話す。
ペットとトラブルなく暮らしてもらうため市は、市内５７２カ所の掲示板にペットの適正飼養に関するポスターを11月15日から掲示しマナーの向上を呼びかけている。その他、犬の飼い主や今後飼う予定のある市民を対象に「しつけ方教室」を開き、家庭犬インストラクターを講師に迎え、犬との暮らし方や接し方などを伝える。
第１回は中原区役所で11月29日。第２回は宮前区役所で12月12日。いずれも午後２時から。参加無料、定員40人。申込は動物愛護センター【電話】０４４・７６６・２２３７へ。
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