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高津区版 公開:2014年12月5日 エリアトップへ

橘樹官衙遺跡 市内初の国史跡指定へ 来年3月ごろを予定

文化

公開:2014年12月5日

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橘樹官衙遺跡群の正倉跡(上)と影向寺遺跡出土瓦(市提供)
橘樹官衙遺跡群の正倉跡(上)と影向寺遺跡出土瓦(市提供)

 高津区千年と宮前区野川にまたがり、川崎の古代史を知る上で重要な遺跡とされる「橘樹官衙遺跡(たちばなかんがいせき)群」について、国の文化審議会は11月21日、新たな国史跡に指定するよう文部科学相に答申した。市によると、今回の答申の結果、来年3月ごろの官報告示により、市内初の国史跡として指定される予定という。

 橘樹官衙遺跡群は、古代武蔵国橘樹郡の役所跡「橘樹郡衙(ぐんが)跡」と、その西側に隣接する「影向寺(ようごうじ)遺跡」で構成される。広さは約1万2000平方メートル。11月現在、橘樹郡衙跡は畑と宅地、影向寺遺跡は同寺境内になっている。

 市によると、国史跡としては市内初、県内で58件目、全国で1746件目になる予定という。

 橘樹郡衙は奈良・平安時代の役所とみられる。1996年に行われた千年伊勢山台北遺跡の発掘調査で、東西に整然と並ぶ7棟の掘立柱建物跡が発見された。これらは稲などを保管するための正倉とみられ、その後の調査で7世紀後半から8世紀に造営、平安時代の9世紀中ごろに姿を消したことが明らかになった。

 一方、影向寺遺跡調査では、古代の影向寺が7世紀後半から8世紀前半の創建と推定。奈良時代の8世紀中ごろには金堂や伽藍が整備され、現在の南関東地方の中心的寺院だったと考えられている。

 国史跡指定への答申について、福田紀彦市長は「今後、市の貴重な宝として50年、100年先を見据えた整備を行い、全国にその魅力を発信して、本市のさらなる文化的発展につなげていきたい」としている。

 千年町会の柏木靖男会長は「とても名誉なこと。この地に住んでいる者として大変誇りに思う」、橘樹郡衙をモデルにした特製スタンプ製作などを手掛けた川崎千年郵便局の井上憲治局長は「地元の関心がさらに高まり、特製スタンプを押しに来る人が増えた」と語った。指定後の史跡整備計画について、市は歴史学習や観光資源などとして、日常的な点検、維持、管理が必要としている。
 

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