高津区市民健康の森(たちばなふれあいの森)で10年以上実施されてきたホタル観賞会が今年は中止になった。ホタルが繁殖できなかったためで、主催者の高津区市民健康の森を育てる会の徳武道雄会長は「来年以降は復活させたい」と語る。
徳武会長によると、ホタル観賞会は高津区市民健康の森が発足した2002年から昨年まで実施されてきた恒例行事だった。
「森にはかつてホタルが自生していた」との証言もあり、健康の森を育てる会がホタルの飼育に挑戦。最盛期には800匹ほどのホタルが乱舞した。観賞会は横浜や都内からも来場があり6千人が訪れることもあったという。
森に流れる小川にはホタルの餌となるカワニナがいないため、毎年会員が自宅で繁殖に取り組んできた。観賞会が終わるとホタルを捕獲し、産卵、ふ化、成虫の一歩手前まで育て、橘小学校の児童と川に放流していた。美しい光の舞台裏には会員たちの努力があった。
しかし、一昨年から急にホタルの数が減少。昨年生まれてきたホタルがオスばかりとなり、繁殖は絶望的になってしまった。徳武会長は「ホタルの繁殖に力を入れている場所に勉強に出かけたりしたが、オスが多くなってしまった理由は分からなかった」という。
ホタルの幼虫を購入し繁殖を試みたが成功せず、今年の観賞会の開催は断念した。来年の開催に向けて親ホタルを購入したが、産卵する気配がないという。徳武会長は「このままでは来年の開催も危ない。しかし、ガイドブックなどにも掲載のある地元の名所。何とかしてホタルの光を復活させたい」と話した。
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