2016年の年頭にあたり、本紙では土方愼也高津区長に新春インタビューを行った。昨年の振り返りや所感、また今年の展望、区政推進方針などについて話を聞いた。
――2015年を振り返っていかかでしたか。
「昨年は本市初となる橘樹官衙遺跡群の国史跡指定、世田谷区との包括連携協定締結後初となる多摩川花火大会での都立深沢高校和太鼓部の演奏、溝口駅南口地下駐輪場のオープンなど明るい話題が多い1年だったと思います。
また、待機児童ゼロの達成や区民会議の発案でこころのバリアフリーを進める『ふくシティたかつ』のスタートなど、喫緊の課題にもしっかりと対応しながら区政を進めることができたと考えています」
――区の課題など気づきはありましたでしょうか。
「昨年からの継続になりますが、区民の皆様が安全に安心して暮らせるまちづくりを進めていくことの必要性を改めて感じています。
昨年9月に発生した台風18号では、土砂災害警戒情報に基づき避難勧告が発令され、区内全域で避難所を開設、そのうち6つの避難所に62名の区民の皆様が避難することとなりました。幸い大きな被害は発生しませんでしたが、避難情報の伝達や避難所の運営などに課題があることが分かりました。今後の気候変動を見据え、区民の皆様と風水害対策にも取り組んでいく必要があると考えています。
また、私たちの目の前には、超高齢社会、そして、人口減少社会が迫っています。そうした変化の中にあっても、子どもから高齢者、障害者まで全ての区民の皆様が、地域で安心して暮らし続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築が求められています」
――2016年の重点施策として何を挙げますか。
「まず、防災については、地域住民や区役所職員を対象とした訓練等の実施や、避難所運営会議と区役所が連携した円滑な避難所運営を図るとともに、溝口駅を中心とした帰宅困難者対策にも交通機関等と連携して取り組んでいきます。
また、川崎市では昨年3月に『地域包括ケアシステム推進ビジョン』を策定し、今後、地域包括ケアシステムの構築を進めていきますが、行政による専門的な支援やサービスの充実と併せて、住民同士が支え合う地域づくりが必要です。そのために、区役所の体制を強化し、区役所職員が地域の皆様と協働しながら、地域における『顔の見える関係づくり』を進めていきます。また、新たな取組として、こころのバリアフリーを進めるため、様々な機会を活用して、障害者と地域との交流を図ってまいります。
また、環境問題への対応として『エコシティたかつ』の取組を進めます。昨年12月に子母口小学校にビオトープを整備し、区内の全ての小学校と中央支援学校にビオトープが整いました。それらを活用し環境学習を継続するとともに、緑ヶ丘霊園における健全な森の再生など、地球温暖化適応策に取り組んでいきます」
――2016年の抱負、区民へのメッセージを。
「今、川崎市では、新たな総合計画づくりが大詰めを迎えていますが、今年はこの新たな計画に基づいて、高津区政を推進していくスタートの年となります。
高津区は大山街道をはじめ、久地円筒分水や橘樹官衙遺跡群、橘地区の広大な農地など魅力あるスポットが満ち溢れているすばらしい地域です。また、文化、健康づくりやスポーツなど様々な分野で区民の皆様が熱心に活動されています。これまで築き上げてきた高津区のまちづくりを、さらに一歩前に進めて、『高津区に住んで良かった』と誇りを持てるまちづくりを、これからも区民の皆様と一緒に全力で取り組んでいきたいと考えておりますので、引き続き、ご理解とご協力をよろしくお願いします」
――ありがとうございました。
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