梶が谷駅から国道246号線を越えた通り沿いに並ぶ飲食店3店が「オクカジ」と称したコラボ商品を作っている。駅から遠くても「足を伸ばす価値あるものを」と各店が協力し、魅力を高める仕掛けを行う。
商品作りに取り組むのは、同じ通りに店を構える自家焙煎珈琲店のシラハト商店(下作延)とシモト珈琲(向ヶ丘)、パン屋のブーランジェリ・エトワール(下作延)。シラハト商店とシモト珈琲が各店の豆を合わせた「オクカジブレンド」を、その珈琲豆を使ったパンなどをエトワールが作り、販売している。
「オクカジ」という名前は「奥渋谷」をヒントに名づけた。各店舗は梶が谷駅から徒歩10分以上離れた場所にある。シラハト商店の関口桂司さんは「『人通りが少ない』とは、よく話していた。足を伸ばす価値ある場所にしようという気持ちはそれぞれ抱いていた」という。
きっかけは、2017年3月に開店したシモト珈琲の店主、大森智史さん。開店前にシラハト商店へあいさつに訪れ、同店の関口桂司さん・奈津子さん夫妻に「一緒に何かできたら」と声をかけた。
「オクカジブレンド」は今年5月に販売。統一したのは豆の産地国のみ。銘柄や焙煎機、焙煎時間が違うからこそ出る深いコクが特徴だ。
関口さんは「自家焙煎だからこそできる面白さ」といい、大森さんは「常連客が『オクカジ』をメインに豆を買うようになった」と、評判も上々だ。
両店と交流があったエトワールの星野裕志さん・萌さん夫妻は、大森さんから渡されたオクカジブレンドを見た時に、珈琲パン作りを思案した。
「珈琲風味、ではなくしっかりオクカジブレンドが出るように」と試行錯誤を重ね、餡に珈琲を使用したあんパンを考案。さらに豆を粉状に砕き生地に練り込んだクッキーやマドレーヌも作った。萌さんは「販売し始めてから、お客さんから両店舗のことをよく聞かれる。通りを人が循環していると感じる」と話す。
今秋から新ブレンドを販売している。大森さんは「珈琲は季節ごとに作りたい。マップ、スタンプラリーなど展開が広がるかも」と期待を込める。
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