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公開日:2019.07.12

二ヶ領用水
国の文化財 登録へ
官民一体 「価値高め、後世に」

  • 遊歩道が整備され、市民に親しまれる二ヶ領用水宿河原堀

 高津区をはじめ川崎市域を流れる二ヶ領用水の文化財登録に向け、市は今月、文化庁に意見書を提出する。「文化的価値を高めて後世に残すために、市民と一体で調整を進める」と市担当者。12月の文化審議会を経て、来年3月に登録される見通しだ。

 文化財登録制度は1996年の文化財保護法改正で設けられ、案内板設置等の広報に対し、国の補助金が受けられることなどが特徴。市内では二ヶ領用水久地円筒分水や禅寺丸柿が登録されており、今回で5件目になる。

 多摩川下流域の治水と新田開発のため、国内有数の農業用水として約14年かけて1611(慶長16)年に完成した二ヶ領用水。多摩区内の上河原と宿河原の2カ所から取水し、ほぼ市全域に生活水をもたらしてきた。

 今回の登録対象は全長約18キロの二ヶ領用水のうち、市が管理する「上河原線」「宿河原線」「円筒分水下流」(久地)の3区間で、合計約12・4キロにのぼる。

 自然環境や景観に配慮した遊歩道など整備が進み、市民団体によるイベントや桜の植樹、保全などの活動が地元で広がっている。「よりよい形で効果的に保全し、伝承できるよう地元住民と協議を重ねる」と市担当者。今後は市内の関連団体との意見交換を予定している。

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