昨年春に政府が掲げた流れを踏まえ、川崎市では「生産性向上及び働き方改革の優れた取組」を行う市内中小企業を表彰した。今回対象となった企業は7社。そのうち高津区内からは「エレックス工業株式会社」(電子機器製造業)と「上代工業株式会社」(金属製品製造業)の2社が選ばれた。
幅広い普及啓発目指す
川崎市は一昨年4月、支援機関や金融機関と連携し「川崎市働き方改革・生産性改革プラットフォーム」を設置。市内中小企業の「働き方改革」や「生産性向上」の取組み促進をバックアップしている。今回の表彰は、公的施策の活用や独自の活動等により創出された先進的で効果的な取り組みを手掛ける市内の中小企業を選定・表彰する事で、幅広い業種への普及啓発を目指そうというもの。今回の表彰企業には基準をクリアした計7社が選ばれており、そのうちの一つが区内・下野毛にある「上代工業株式会社」。金属製品製造業を手掛ける同社では、工場内の黒板で行っていた作業の進捗管理を刷新。全社員に情報端末を貸与し、各自が帳票類をバーコードで読み取ったり、データを一元化することなどで各作業者が端末で業務進捗を共有。その結果、月間約90時間もの時間短縮や、情報伝達ミス防止による生産性向上に成功したという。
また職場の環境整備などにも力を注いだ結果、有給取得率も向上。福利厚生の充実も図り職場の一角に「ジムスペース」を設けるなどといった「働き方改革」も推し進めている。
朝会合「全員参加」で社内活性化で効率向上も
また、高津区内からの表彰対象となったもう1社が区内・新作にある「エレックス工業株式会社」。電子機器製造業を手掛ける同社では、膨大な数の部品を取り扱う際、管理番号を「テプラ」という器具で刻印し、一つひとつに手作業で貼付してきたが、この効率を「レーザーマーカー」という機材導入で改善。作業時間を52%削減すると共に、材料コスト削減にも成功し、生産性向上に繋げた。また朝のミーティングを「全従業員参加型」にすることで社内コミュニケーションの活性化に上手く繋げた結果、全社員の平均残業時間「月5時間程度」(年間ベース)を実現するなど「働き方改革」にも力を注いでいる。
表彰式後、懇談も
区内2社を含む計7社の表彰式は3月23日に川崎市役所(講堂)で行われ、各社の関係者らが出席。福田市長からの表彰状が贈られたほか、式典後は懇談会も行われ、それぞれの企業担当者同士が活発な意見交換をする場面などもみられ有意義な時間を過ごしていた。
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