区内千年で、近隣住民などに長きにわたって親しまれ続けてきた「川崎千年郵便局」が先月末「一時閉鎖」となった。5月11日の時点で再開の目途は立っておらず、関係者は困惑の色をみせている。
開局59年目
「川崎千年郵便局」は1962年(昭和37年)秋に開局。同年春に第三京浜国道の開通などもあり人口が急増していた千年エリアにとって待望ともいえる郵便局として、以来長きにわたって地域と共に発展。初代局長を務めた井上洋治さんは「(開局に際して)は地元地区の各町会長、町会役員などが、橘中学校体育館で盛大な祝賀会を開いてくれたんですよ」と当時を振り返る。同局は井上さんが自らの土地と建物を無償提供する事で開局しており、郵政が民営化される前まで「特定郵便局」と呼ばれていた。これは現代のフランチャイズ制のはしりともいわれている。
2代目局長に引き継ぎ
その後、2代目の局長として息子の井上憲治さんが就く際に、局舎をリニューアルし現在の建物に。健治さんは「切手はがき自動販売機」や「障害者用公衆電話」を設置するなど利用者のニーズに寄り添った局運営を手掛ける一方、手紙文化の普及振興の為に「公式スタンプブーム」の火付け役になるような各種取組み等にも着手。本紙上にも幾度となく登場し、地元に明るいニュースを提供してくれていた。
しかし2015年、局長職を解任。「地域の振興や手紙文化の普及そして、全国、地元地域の方々に支持され喜ばれて、また郵便局の郵便収入にも貢献している中、何の正当な理由も無く、いきなり(局長職を)解任されたんですよ」と憤慨する。局長解任後は、局舎オーナーとしての職務や横浜中央郵便局の事務職などを担っている。
一方、川崎千年郵便局は日本郵便株式会社の社員が後任局長に就き運営されてきたが今年4月になって今度は局そのものの一時閉鎖が告げられ、28日に局舎の撤去作業が行われたのだという。
再開のめどは?
やや唐突な感が否めない今回の閉鎖騒動について、5月11日現在、日本郵便のホームページ上では「川崎千年郵便局を一時閉鎖いたします」といった一文が掲載されているのみで、経緯や今後再開の見通しなどは一切不明。近隣住民などにとっては利便性の高い郵便局だっただけに利用者からは「寂しさを感じる」「ポストまで撤去されるなんて」「再開はいつ?」などといった困惑の声があがっている。
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