本紙は就任から2年、任期の折り返しを迎えた福田紀彦市長にインタビューした。2年目の成果や区民車座集会など市民参加の市政の手応え、これからの川崎市の在り方などを聞いた。(聞き手/川崎支社・原田一樹)
――就任から2年、折り返しとなる2年目の感想は。
「1年目は何もかもが初めてで全力疾走でした。2年目は本格的に予算編成を行ったりもしましたが、最初から落ち着いて色々な仕事に対して取り組むことができたと思います。また、公約に対しても確実に着手をして一定の成果が出てきたと考えています」
――具体的成果とは。
「短期で道筋をつけたものとして、待機児童の解消と中学校給食の完全実施が挙げられます。待機児童の解消に関しては今年4月に実現できました。中学校給食の完全実施に関しては平成29年度の開始に向けて一定の目途がついてきています。その他、市民の皆さんにお約束したこと(公約)にはほぼ計画通り着手できていると思います」
――中学生死亡事件や高齢者施設の利用者死亡事件、簡易宿泊所の火災事故などがありましたが対策は。
「子どもでもお年寄りでも社会的な困窮・弱者でもケアが必要な方々に対する情報共有の大切さを痛感しています。再発防止に向けて、ケアの必要な方々に対して様々な機関と連携していきたいと考えています」
――7区の市民の声を聞く車座集会も継続されていますが手応えは。
「現在3巡目ですが市民の皆さんから直接いただく声はものすごくプラスになっています。内容も区だけでなく、より小さな地区ごとの課題が出てきており、皆さんの生活に直結している基礎自治体として、今後の事業展開に必要な情報が得られています。また、執行責任者としての私が皆さんと対話しつづけることで、開かれた市政につなげていきたいとも考えています」
――今後のまちづくりの基本的な方向を示す総合計画の策定の中で、無作為抽出した市民と意見交換を行いましたが成果は。
「無作為抽出というのは初めてだったので、行政側も不安があったと思います。しかし、結果は心配とは真逆。多様な意見がバランスよく、また活発に出され参考とさせていただきました。また、これをきっかけに、川崎をもっとよく知り、さらによくしていこうというグループも自主的に生まれました。自分たちのまちを愛する市民が増えたことはとても嬉しいことです」
――これからの課題は。
「川崎市は全国の大都市の中で最も平均年齢の若い都市ではありますが、これから他都市を上回る勢いで高齢化が進んできます。そこで必要となるのが地域の中でのケア、地域包括ケアシステムです。その土台となるのが、小さなコミュニティの中で、顔の見える関係をつくること。プライバシーの問題などがあり難しさを感じていますが、全力で取りかからなければなりません。また小学6年生までの拡大を目指している小児医療費の助成制度についても来年4月からは3年生まで対象を拡げます。それ以降についても着実に進めていかなければなりません」
――川崎市の将来像は。
「5年後にはオリンピック、パラリンピックが控えています。川崎市では『かわさきパラムーブメント』として特にパラリンピックの支援を通して、お年寄りや子ども、障害者も含め誰もが暮らしやすい社会を実現させ、世界にその価値を発信していきたいと考えています。また川崎区の殿町地区も世界のライフサイエンスをリードするものとなります。羽田連絡道路を通して世界の玄関口にもなります。まずは時代を切り拓く川崎市をつくること。そして世界に誇れるわが街として市民のシビックプライドにつなげていきたいと思います」
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