子どもたちに木のぬくもりや心地よさを感じながら、木材の文化を学んでもらおうと、高津区役所がNPO法人や民間企業と協力して「区民木育(もくいく)体験」を実施した。参加者は実際にいすを製作し、木材の大切さや活用の方法を体感した。
「木育」とは、木や木材の魅力を学び、木の文化への理解を深めることを指す。川崎市は2014年、宮崎県と木材利用促進に関する連携協定を締結し、国産木材を活用したまちづくりを目指している。
今回の木育体験は、普段木に触れる機会が少ない都市部の子どもたちに木材に親しみを持ってもらおうと、区が主催。NPO法人ピープルデザイン研究所(須藤シンジ代表理事)も企画から携わり、家具製作や建築資材を扱う民間事業者2社とも連携。「自由な発想で、世界に一つだけのいすを作ろう」と呼びかけ、家族など8グループが参加した。
体験は8月27日、28日に高津市民館で実施された。初日の午前中、家具製品などを開発する(株)岡村製作所(横浜市西区)の社員が森林の成り立ちや、国内の木材を活用する意義などについて講義。午後に本格的ないす作りに取り組んだ。
木材は、国内最大手の木材卸売市場を展開するナイス(株)(横浜市鶴見区)が無償提供した端材を使用。参加者は、長さや太さがそれぞれ違う端材をどのように組み合わせるか、レクチャーを受けながら設計していった。「父親が端材を削り、子どもがその手伝いをするなど、役割分担をしながら取り組んでいた」と岡村製作所の担当者。参加した子どもたちも「やすりがけを頑張った」「脚を斜めにしてみた」と、楽しくいす作りに取り組んでいた。
9月3日には武蔵溝ノ口駅の南北自由通路に15脚の作品を展示。ひじ掛けや棚を付けるなど工夫したいすが並んだ。区の担当者は「駅での展示の際は興味を持ってくれる方も多く、(木育を)アピールすることができたと思う。今後も木に親しみを持てるような取り組みを続けていきたい」と話している。
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