大山街道ふるさと館で6月からミニ企画展「切り絵シリーズ-散歩道で-」が開かれている。作品を手掛けたのは、下作延にあるNPO法人教育活動総合サポートセンターで不登校児童生徒等の支援活動に従事する青木幸夫さん。20年前から全くの独学で切り絵を始め、今では区内数カ所で個展を開くほか、文化教室や市内中学校などで切り絵の体験講座を行っている。
青木幸夫さん(69)は1970年から川崎市立中学校の国語科教員を務め、西高津中学校にも勤務したこともある。幼い頃から絵を描くのが好きで、最初の給与で買ったのも油絵の道具だった。しかし、その後は仕事が忙しくなり、絵を描くことから遠ざかっていた。
そんな時、亡くなった知人の遺作展で切り絵と出会ったのが20年前。今まで手掛けたことのない切り絵の素晴らしさに触れるとともに、「自分なら違う形で面白くできるのでは」とひらめいた。そこから一念発起し、紙の切り方や貼り合わせ方、糊の調合など全くの独学で始め、毎晩コツコツと作品作りに勤しんだ。
青木さんの切り絵の特徴は、一切着色をせず、何枚もの和紙や洋紙を重ねて鮮やかな色合いや濃淡、絵の立体感を表現すること。また、御仏や風景、草花をテーマとし、「自分で見てきたものしか作品にしない」こだわりで、作りたい作品の構図を決めるために全国を旅することもある。
今回の展覧会のテーマは「散歩道」。地元の身近な風景を題材とし、影向寺の老イチョウや日本民家園=多摩区=で行われた民謡「こきりこ」のささら踊りなど6点を展示。展示作品に触れることも可能で、青木さんは「切り絵の楽しさは様々な紙の特徴を活かし、重ねることで描くこと。ぜひ作品に触ってもらって、何重にも重ね合わせて表現した切り絵の魅力を感じてもらえたら」と話している。
展示期間は7月31日まで。開館時間など詳細問合せは同館【電話】044・813・4705へ。
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