高津警察署(飯塚明署長)によると、管内で今年発生している振り込め詐欺の件数が昨年同期と比べ約2・8倍に上り、件数、被害額共に過去最悪の2013年に迫るペースであることが分かった。同署では振り込め詐欺に対する注意喚起を引き続き行っている。
今年に入って区内で発生した振り込め詐欺は、8月20日現在で25件となっており、前年同期比で16件のプラスになっている。また被害総額も3700万円を超え、現時点で昨年1年間での被害総額のほぼ倍になっている。一方、県内では認知件数は同日時点で1237件と前年同期と比べて1・7倍以上増えているが、被害総額は2億円以上減の約24億円で、区内での被害規模の拡大が目立っている。
新たな手口が一因か
高津署は管内での増加の詳しい原因は究明中としながらも、今年に入って振り込め詐欺の主な手法が変わったことに一因があると見ている。関係者によると、3月までは役所の職員を装ってお金が戻るなどと語る還付金詐欺が多かったが、5月からはキャッシュカードを狙った詐欺が増えているという。主な手口は、デパートなどの職員を装い「キャッシュカードが不正に使われる危険がある」と騙し、後日警察などを装った別人がカードを取りに来るというもの。また、息子などを装ったオレオレ詐欺も一定の被害が続いているという。
一方、区内では阻止の件数も伸びており、前年は累計で18件のところ、今年はすでに33件に上っている。また同署には今年に入って毎日1件以上、詐欺発生の問合せが来ているともいう。
同署では引き続きキャンペーンなどを通じ、注意を呼びかける。10月には中原署と合同で武蔵新城駅周辺での啓発イベントを予定しているほか、同月を特殊詐欺対策月間としてATM前で見張りに立つとしている。
同署の関係者は「1回目では騙されなくても、それで安心して3、4回目で騙される人もいる。詐欺の手口には色んなパターンがあるので、お金に関わる話には十分注意してほしい」と注意を喚起している。息子を名乗り「鞄を無くした」といった嘘で金銭を要求するなどの具体的な事例を把握するだけでなく、電話でお金の話をされた場合にはまず疑うことが必要だという。
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