市立小 学校司書、4校に1人 市、全校配置へ年7人増員
川崎市教育委員会は児童の読書活動を支援する学校司書の全市立小学校への配置を進めている。2015年度から3年間、モデル事業として21校に配置。今年度7人増員したが、全校の約25%にとどまる。昨年度まで2年連続で全校配置を実現した横浜市に比べ、ペースは低調だ。市教委は「計画に沿って地道に取り組む」としている。
学校司書は蔵書の整理や新しい本の購入などを通して図書館の環境整備を担う。川崎市教育委員会が行った15年度のモデル事業では、実施校の1人あたりの貸出冊数が未配置校の1・8倍に増加。司書による授業支援が79%あったというアンケート結果もあり、教員の負担軽減などの効果もみられたことから継続が決まった。市教委は学校司書を各区1人、年に7人増やす計画で、21年度までに56校への配置を目標としている。最終的に全校配置を目指しているが、時期は明示していない。
市の学校司書は資格が不要で、図書ボランティアなどが学校長から推薦を受けて任用される。市民団体「生きた学校図書館をめざす会川崎」は「専門知識がなければ選書なども難しい」と指摘しており、学校長が適任者を把握しづらく、人選が課題の一つとなっている。
市教委は学校司書のアドバイザーとして各校を巡回する総括学校司書(有資格者)を運用しているが、これまで任用期間5年の上限があった。今年度から上限を撤廃し、学校司書との連携を強化している。
宮前平小学校(宮前区)の学校司書、佐藤かなさんは「図書館の利用法や物事の調べ方を児童に学んでもらうためにも学校司書は必要」と話す。市教委は「大幅増員は予算面で難しい。研修などで図書ボランティアの資質向上を図る」としている。
非常勤採用でフルタイム勤務の横浜市では、16年度から2年連続で市立小・中・特別支援学校全498校に配置したが、今年度は担い手不足で未配置校もある。川崎市は1回3時間(年間150回上限)の報償制。市教委は「短時間で働きやすい環境のため、潜在的な人材は多いと考えられる。人材をどう生かすかが今後の課題」としている。
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5月3日