高津区内にある国登録有形文化財として親しまれている「久地円筒分水」(久地1丁目)の維持や管理などにあたるボランティアグループが創立10年目を迎え、これまでの活動を振り返る記念誌を発行した。
今回「記憶から記録へ」を合言葉に記念誌を作ったのは「久地円筒分水サポートクラブ」(吉田威一郎代表)。二ケ領用水の水を田畑面積に応じて平等に分ける事などを目的に1941年に完成したこの分水装置が一定の役割を終え、市民が集う憩いの場へと変貌を遂げた年(2009年)の翌年、地元有志らで結成された。
地域魅力づくりに貢献
主な活動は円筒分水の維持や管理。当時12人で発足したメンバーも今では34人を数え「いつでも花が咲いている、手入れが行き届いている、つい足を止めて、眺めたくなる円筒分水周辺を目指し」(資料抜粋)、月1、2回の美化活動を展開。また円筒分水の歴史を今に伝えるガイド役も務めるなど、同所を拠点とするコミュニティーと魅力ある地域づくりの一翼を担ってきた。
だが一方で、古参メンバーの高齢化など様々な事情から退会する会員も11人を数え、同会発足の経緯やこれまでの足跡などを把握している人も減少の一途を辿ってきた。
そこで、先人の記憶を記録として残し、今後新たに仲間に加わってくれる人に理解を深めてもらおうと、本来なら満10歳を迎える2020年3月を待たずに「10年の歩み」を記念誌にまとめる作業に着手してきたという。
区役所で閲覧可能
全編23ページにわたる冊子には「久地円筒分水サポートクラブ」の生い立ちや創立当初の様子、活動の幅を拡げていく様子や組織の変貌などが詳細に記され、さながらモニュメントといった力作。
吉田代表は「サポートクラブの活動は一見地味ですが、今後も地域の方々にご支援いただきながら、素晴らしい久地円筒分水環境づくりを目指す、その礎(いしずえ)になれば」と話している。この冊子は高津区役所地域振興課(【電話】044・861・3144)などで閲覧することができる。
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