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高津区版 公開:2020年6月5日 エリアトップへ

本紙インタビュー 「コロナ禍対策」官民一体で 鈴木高津区長、方針語る

政治

公開:2020年6月5日

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マスク姿で本紙記者の質問に答える鈴木哲朗区長
マスク姿で本紙記者の質問に答える鈴木哲朗区長

 緊急事態宣言解除を受け、臨時休校が続いていた学校の多くが再開した6月1日、高津区の鈴木哲朗区長が本紙のインタビューに応じた。

4月の区長就任直後から対峙する事となった「コロナ禍」について、初動から今日に至るまでの行政における動きを省みた鈴木区長は、懸念される”第二波、第三波”への対策などについても言及。市民感覚の意見を広く募り、感染拡大防止に全力で取り組む姿勢を打ち出している。    (聞き手/本紙記者・山口寛子)

 ―まず、コロナ禍における、とりわけ高津区長就任後の区政の取り組みについて、概略などからお聞かせください。

 「区職員と一丸となり、感染拡大の防止を最優先に取り組みましたが、結果として、区民の皆様へのサービス提供に時間がかかるなど、お手間をおかけすることが生じたことについては、とても心苦しく思っております」

 ―初動から今日に至るまで、行政として十分に対応できている点はありますか。

 「(高津区では)限られた保健師、職員によって的確な聞き取り、感染ルートの特定作業を行ったことで、PCR検査の対象者を絞り込み、結果、地域医療体制の維持に寄与することができました。また国(総務省)のシステムに支障が生じる中でも、マイナンバーカードを所管する区民課では、適切で丁寧な対応により、ミスを発生させなかった事はもちろん、区民からの苦情をいただくことも少なく業務を遂行できているという点は、一定程度しっかりと対応できているのではないでしょうか」

第二波への備え、早急に「市民感覚の声」に期待も

―(高津区のコロナ禍対応について)では反対に、今後の糧にすべき点などを教えてください。

 「新型コロナウイルスの感染拡大防止と安定したサービス提供のための『BCP』(業務継続計画)の発令により、職員の在宅勤務を取り入れた結果、特に福祉サービス関連業務のアフターフォローが急務となっています。例えば、社会的な自粛、『STAY HOME』の普及・浸透により、児童虐待やDVの認知が遅れていないかの調査が求められており、現に報告・認知件数が従前件数を下回っている状況。また高齢者、障がい者へのサービス提供が不足しなかったかの調査も求められています。さらに今後、必然的に生活困窮者の増加も予想されますが、対象者が適切にその声を区役所に届けてくれているかどうかなどについても、しっかりと広報し、確認していかなければなりません」

 ―一連の緊急事態で、痛感した危険性などはありますか。

 「(高津区の)衛生課と区民課では『BCP』による出勤抑制体制が取れませんでした。今回は奇跡的にも当該職員に濃厚接触者や感染者が出なかったから良かったものの、仮に発生していれば機能が停止する危険性を持っているので、これについては早々に対策を講じる必要性を強く感じています。また今回のような緊急事態の最中、もし大きな地震や台風などといった災害が発生した際、避難所を開設するようなことになれば、施設内で生じる3つの密(密閉・密集・密接)への対策をどのようにすれば良いのか、といった問題についても早急に考えていかなければなりません」

区内各所に影響も

 ―現時点までに把握している高津区内におけるコロナ禍の影響は。

 「たかつ区健康福祉まつり、高津区民祭、橘ふるさと祭り、市制記念花火大会を始め、多くのイベント、会議、諸事業が中止になったほか、町会を始め、各団体の総会もほぼ中止か書面評決とならざるを得ませんでした。関係団体、組織の今後の活動に影響が出ないことを祈っています。また多くの事業者の方に対して休業が求められた結果、今後の街の勢いが心配です。飲食店の皆様におかれては、テイクアウトの積極的な導入など、さまざまな工夫と努力をされています。区役所としても精一杯応援していきたいと考えています」

今後の感染拡大防ぐ

 ―現在、緊急事態宣言は解除されていますが、いわゆる「第二波」「第三波」の到来などを懸念する声も依然少なくありません。高津区としてのお考えや対策等をお聞かせ願います。

 「第一波が収束しはじめ、緊急事態宣言が解除に至ったことは、多くの区民の皆様の努力の賜物です。心配なのは経済活動を始め、様々な活動が再開された時、人の動きが増えれば当然、感染拡大のリスクは増えるため、第二波が来ることも想定しておく必要があります。先ほど申し上げた課題の克服を中心に、現在、対策に着手しています。さらに区役所だけでは気が付かない市民感覚のご意見も求めて行きたいと考えています。この時期、3つの密の回避は不可欠ですが、電話、メール、お手紙などあらゆる方法を使って、皆様の声をお届けいただければ幸いです。区民の皆様と区役所が一体となって、このコロナ禍に全力で立ち向かい、今後の感染拡大を防げれば、昨年(台風19号の影響により)中止で涙を飲んだ高津・橘両地区の町内会連合会の運動会の開催を始め、市内有数の規模を誇る賀詞交換会も、開催方式の工夫が必要になることとは思いますが、実現できるのでは、という期待をしています」

「街を元気に」後押し

 ―最後にタウンニュース読者にメッセージをお願いします。

 「今、目に見えない『新型感染症』との闘いの真っ最中です。区民の皆様、事業者の皆様は大変なご苦労をされていることと存じます。この新型感染症の特徴の影響により、とりわけ飲食業の方々の影響は非常に大きいことと思います。テイクアウトによる事業展開など、街の皆様が自主的に様々な取り組みを始めています。区役所もこうした取り組みを積極的に応援してまいります。高津区のホームページでは、テイクアウトなどの方法を取り入れて商店街を、街を元気にしていこうと頑張っている方々のご案内をご覧いただけるようになっています。是非、ご活用ください」

コロナ禍による街の勢いを心配し「区役所としても精一杯応援していきたい」と鈴木区長
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