郷土史には記録されない、たかつの記憶をたどる まちのこぼれ話 第13話 その6 斉藤 二郎さん
◆町の様子について
二子の地には、職人さんが多く住んでいたようです。大工さんだとか、大工さんの下職、左官屋さんとか。私の隣にも船大工さんが住んでいて、渡しの船だとか多摩川の船を造っていました。あと下駄を作っていたところもある。大手の工務店が台頭するころになると、地元の大工さんには仕事が回らなくなるし、大工が暇になれば下職もまた暇になっちゃう。職人相手に商売していたお店も物が売れなくなっちゃったんでしょうね。
◆土地への思い
果樹園をやめ、農業もやめ、今はその土地にマンションを建て、管理会社を設立し、自分で管理する。戦前、土地を持っていた地主は、戦後の農地解放のときに悔しい思いをしているわけです。だからせめて残っている土地くらいは絶対に売りたくない。そういう気持ちが強いのでしょう。
以前、諏訪の小黒さんという二子新地から他人の土地を通らないで自宅まで帰れるくらい土地を持っていた大地主に「農地解放がなかったら、今頃働かないで悠々自適に暮らせたのにね」って話をしたら、「斉藤さん、それは違う。自分のやりたいことやって、食いたいもの食っていたら寿命も短かった。こんなに長生きできたのも、農地開放されて、逆に命をもらえたのだよって、そういうふうに私は思っているんだ」って。確かにそういうことがあるかもしれないと思っています。
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