年頭所感 日本一魅力的な商工会議所 川崎商工会議所 会頭 山田長満
皆様には、希望に満ちた新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
平素より、当商工会議所事業運営に温かいご理解ご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
昨年は、アベノミクスの「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」によりデフレ脱却の期待、２０２０年のオリンピック・パラリンピックの東京開催が決定し、希望のもてる年となりました。
会員とともに
川崎は、陸・海・空に恵まれた国際産業都市であり、中小企業・ベンチャー企業、中堅企業、大企業、科学技術・最先端技術の研究所などが集積しており、新産業も生まれてきております。
当所としても、会員の皆様の身近な７区７支所における会員交流会・異業種交流会・セミナーをさらに推進し、ビジネスチャンスの場を拡大しなければなりません。商工会議所の魅力に、小規模企業・中小企業・ベンチャー企業、中堅企業、大企業まで全業種の企業が会員であることがあげられます。これらの企業のスクラムネットワークが重要であり、ビジネスチャンスにＷＩＮ-ＷＩＮの関係を構築したいものです。
当所の９部会、９分科会の部会長・分科会長、１３０名の議員をはじめ全会員参加型の部会活動をさらに活発に積極的に行い、自助努力・イノベーションに取り組んでまいりましょう。
中小企業・ベンチャー企業を成長戦略の中心に
日本の株式上場企業は約４０００社です。申し上げるまでもなく、創業の時は一粒の小さな種でした。創業者の自助努力でその種から芽が出て花が咲き果実を実らせています。
２００９年の企業数４２１万３１９０社のうち、中小企業は４２０万１２６４社で実に99・７％が中小企業です。また、雇用者の約７割を中小企業が担っています。地域経済において重要な役割を担い成長の原動力となっているのが中小企業です。
本年４月に消費税率が８％に引き上げられますが、中小企業はなかなか価格転嫁ができませんし、景気回復への影響が危惧されます。
中央政府・地方政府には、日本経済活性化のために中小企業・ベンチャー企業の活性化成長戦略を中心に、そのための制度整備・支援などの対応策が重要です。
日本経済には明らかに回復の兆しが見えておりますが、中小企業・小規模事業者の経済環境・経営環境はまだまだ厳しい状況にあります。当会議所では昨年４月に関東財務局・関東経済産業局より「経営革新等支援機関」の認定をうけて支援体制を強化しました。
中小企業・ベンチャー企業も国際展開の時代
今日、高度情報化社会・インターネット社会の中で国境レスの時代を迎えています。
東京国際空港、国際戦略港湾である京浜港は、スーパー中枢港湾に指定されており、川崎の国際展開にとりましても、大変重要な役割を担っています。
中小企業・ベンチャー企業も世界を相手にビジネスを展開する時代です。
成長著しいアジア地域・アセアン地域・メコン地域の活力を取り込み地域経済活性化・日本経済活性化にＷＩＮ-ＷＩＮの関係を構築したいものです。
本年はＴＰＰ（環太平洋経済連携協定）の締結が見込まれます。２０１５年にはアセアン10ヵ国（人口約６億人、日本からの進出企業約４７００社）の経済共同体が予定されています。中小企業・ベンチャー企業の発展・成長のチャンスにしたいものです。
未来を拓く国際産業都市に
川崎市政府は川崎市の持続的な成長に向けた戦略を展開しています。
国の指定を受けた「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」の殿町国際戦略拠点・キングスカイフロントでは、「ライフイノベーション」「グリーンイノベーション」「ウエルフェアイノベーション」の取組が推進されています。
ライフイノベーションは、超高齢化をむかえた我が国において高度な医療ニーズに対応し国際的な課題解決に貢献するものです。グリーンイノベーションは、環境先進都市の特徴・強みを活かして低酸素化を推進し、地球環境問題解決に寄与するものです。ウエルフェアイノベーションは、中小企業の優れた技術力を応用して、利用者ニーズに応えた福祉製品を創出し国内のみならずアジア諸国の高齢化の課題解決に貢献するものです。
３つのイノベーションは時流に合った、地球規模で人々に貢献するものです。
川崎は高度先端技術・ものづくり技術を有する中小企業が集積しています。中小企業・ベンチャー企業・中堅企業・大企業の連携、医工連携、産学官連携などスクラムネットワークで地域経済活性化・日本経済活性化に貢献する大産業に育てていかなければなりません。
首都圏経済活性化から日本経済活性化へ
２０２０年のオリンピック・パラリンピックの東京開催により、日本と世界に「ともだち・友情」の橋が架かります。
現状は、世界第３位の経済大国日本の首都圏の道路・橋・交通網などインフラ整備が不十分です。この機会に魅力いっぱいの首都圏・日本を世界の「ともだち」に発信し、首都圏経済活性化から日本経済活性化に繋げたいものです。
「日本一魅力的な商工会議所に」皆様の一層のご支援ご協力を心からお願い申し上げます。
皆様にとりまして、飛躍の年、幸多き年でありますよう心から祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。
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