市政レポートNo.88 消えた行財政改革!? 川崎市議会議員 おしもとよしじ
平成29年度予算を議論する第1回川崎市議会定例会が閉会し、当年度の予算執行も始まっています。私達の会派では、宮前区選出の織田勝久団長(当時)が代表質問を行い、予算案の他、「子どもの貧困対策と格差の是正の取組」「地域防災の推進」「予算の流用」「小児医療助成制度」「(この紙面でも紹介した)歯科保健事業における新たな健康づくりの取組」など、様々な角度から市政一般及び提案された議案について質しました。
その中で、私達がこれまでも主導的に行ってきた”子どもの貧困対策と格差是正の取組”については、現在実施されている子どもの貧困対策に資する実態把握調査「川崎市子ども・若者調査」の分析結果を含めた報告を速やかに求めるとともに、生活困窮者自立支援法に基づく生活困窮世帯の子どもに対する「学習支援事業補助金」の活用をはじめ、学習支援の充実・強化の視点から平成29年度予算への反映状況などを質すとともに、この法に則った「貧困実態把握調査」の実施も提案しました。
また、平成24年度以降、市債の償還資金に充てる減債基金からの借入総額は393億円となっており、この借り入れについて、計画的な元金返済や徹底した事業の見直しを求めてきました。なぜなら、将来的な財政硬直化を生ずる要因となることは明らかだからです。さらに、その見直しに当たっては、収支状況の根拠や大規模事業の具体的な予算見込み、スケジュールの明確化、減債基金元金返済の考え方、返済年度などを明示するよう求めるとともに、適切に予算執行されることを要望しました。
行財政改革の取組は何処へ?
市民生活と密接な関わりのある一般会計予算は、過去最大の7088億円で、前年度を上回る最大規模を更新し続けています。家計と同じで、入りのお金と出のお金がアンバランスであっては自治体も成り立ちません。私達が特に力点を置くのは”行財政改革”です。この取り組みについては、前市長下では明確な数値目標を掲げ、職員の削減など量的改革を行ってきましたが、現市長下では、質的改革に移行した結果、定量的な検証が困難で前例踏襲的な継続事業ばかり散見されるようになりました。予算案の説明書では、「全会計で41億円の財政効果を確保した」とありますが、民間委託や市民負担を求めるものまで含まれており、自助努力で生み出した効果は曖昧です。また、昨今、国では役人の天下りが問題になっていますが、川崎市と出資法人との随意契約や市OBの役員ポストへの固定化など解決すべき行財政改革は山積しています。私達は組織改革を含む市の行財政改革にこれからもメスを入れていきます。
市議・押本吉司
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5月3日
4月26日