市政レポートNo.97 主権者教育充実に”デザート選挙”と”高校生議会”!? 川崎市議会議員 おしもとよしじ
選挙権年齢が満18歳以上へと引き下げられ、『主権者教育』の重要性が叫ばれて久しいですが、若者の政治参加の拡大にはその充実が鍵となる一方、政治的中立の担保や現場の教員が生の政治を扱うことに「難しさを感じる(私への議会答弁)」との認識も示されるなど、課題も存在します。そのため、本市の取組は、他自治体に比べるとまだまだ積極性に欠けているのが現状です。
小・中学生段階での教育も提案
前述のような課題解決のためには、小・中学生段階での浸透も重要です。そこで私は、横浜市で実践される『デザート選挙』の取組を提案。これは、卒業を控えた小学6年生を対象に、選挙の大切さや選挙制度への理解を深めるため社会科授業の一環として学校生活最後の給食のデザートを決める選挙を行うもので、選挙や投票の仕組みの説明だけでなく候補となるデザート名を掲載した”選挙公報の作成”や”候補者演説”、実際の投票箱や記載台、計数機を使用した”投票及び開票”など本番さながらです。アンケートの結果、99%の生徒が「選挙がよく分かった」と回答し、児童にとって身近な話題を題材にしたこの取組は、自分の投票で物事が決まっていく一票の重みを実感する良い機会となり、同様の取組みが新潟市や名古屋市、東京都江東区などで実施・導入されており広がりを見せています。
本市では昨年、中原区・上丸子小学校側の依頼で選挙管理委員会による小学生向けの選挙出前講座を初めて実施。担当教諭の発意により模擬投票では、デザートを”自校献立の主食メニュー”に置き換えた取組も行われました。
議場にて”高校生議会”が初開催
また本年1月には、各市立高校に通う生徒33名が、本市の理想像について「社会・教育」などと言った3つの委員会に分かれ、設定された協議テーマに基づいて議論を行い、意見書として一つの結論を導き出すプロセスを体験することで議会に対する理解や関心を深めることを目的として”高校生議会”が開催されました。私もこれまで学生インターンの受入や県議会でのハイスクール議会の運営に携わってきた経験から、この高校生議会にもアドバイザーの立場で出席、委員会運営や協議内容について意見交換致しました。今回、ようやく教育委員会の連携による事業展開が図られましたが、テーマ設定や政策課題の抽出、委員会運営に主体性を持たせる等の課題点も見受けられ改善が必要です。児童生徒にとって本市の主権者教育が有意義になるよう引き続き取組を促して参ります。
市議・押本吉司
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5月3日
4月26日