読売教育賞の最優秀賞を受賞した 山根 幸一さん 西鶴間小学校教諭 55歳
教育の世界に新しい風を
○…読売新聞社が文化関連事業の一環として、昭和27年から始めた「読売教育賞」。その最優秀賞を市内から唯一受賞した。「教育の世界では権威のある賞。受賞できて素直に嬉しい」と頬を緩ませる。対象となったのは国語の授業用に考案した「台詞変換学習」。物語の地の文をすべて台詞に置き換えて、台本のように文章を成立させていく。場面の様子や、登場人物の心情までを考えなければ上手く繋がらない。「児童が受け身ではなく、自分たちで考える授業。気持ちを言葉にすることで、表現力も高められればいい」
○…高級茶の産地で知られる静岡県川根町で、お茶農家の長男として生まれた。ただ、車好きが高じて千葉大学の工学部に進学。日産自動車(株)に就職する道を選ぶ。多忙な日々を送る中、教員になった友人から「休みが多いぞ」と甘い誘いを受けたことがきっかけで、通信教育で小学校の教員免許を取得。その後は横浜国大大学院の教育学部まで進んだ。卒業後は福田小学校で教員としてのキャリアをスタート。現在の西鶴間小は5校目となる。
○…今回の読売教育賞受賞で、残念だったことが一つだけ。実際の年齢が分かってしまったことだ。「照明が暗い店なら、20代後半でも通じたのに」と苦笑い。若さの秘密は柔道。綾瀬市柔道協会に外部コーチとして登録し、週に4回は綾瀬市の清水道場で子ども達を指導。一緒に汗を流している。部活などの経験はなく、教員になってから黒帯を取ったそうだが「今でも中学生には負けませんよ」と笑う。
○…現在は4年生に算数と図工を教える毎日。タブレット型端末などの電子機器を取り入れた授業にも取り組んでいるが、教え方自体は昔から変わっていないと感じる。「科学などは日々進化を遂げていますが、教育の世界にはそれがない。児童のために、革命的ともいえる教育法を生み出すことが夢」だという。
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