大和弓道協会で最年長弓道家として活動する 渋谷 信明さん 鶴間在住 88歳
「100歳まで現役で」
○…仕事を引退した68歳の時、ふと目にした弓道教室の案内に興味を覚えた。もともと体を動かすのは好きだったものの、体力の衰えも感じていた頃。「これなら、自分にもできるのではないか」、そう思い立ち気軽な気持ちで入会した。それまで一切、経験はなかったものの、的に当たった時の感覚が病みつきに。以来20年間、大和スポーツセンターの弓道場に通い続けている。気付けば大和弓道協会では最年長。「どの大会でも、自分より年長者に会うことはほとんどない」と笑う。
○…長野県の出身。青春時代を戦争の最中に過ごす。18歳で志願して海軍航空隊に入隊。パイロットになる厳しい訓練に耐えながら「自分の順番を待っていた」という。だが、飛行機が無く、一度も戦地に赴くことのないまま終戦を迎えた。その後は上京して、菓子問屋に就職。独立後は相模大野に甘味処を立ち上げた。近隣には多くの学校があったため、女子高校生や女子大生の憩いの場として人気を博した。「だからね、店をたたむ時には、多くの女性に泣かれてしまって」と照れ笑い。
○…無類のお酒好き。10年前に胆石症と大腸瘤で手術をした時も、手術後に最初に医師に聞いたのは「弓がひけるようになるか」、次が「いつからお酒を飲んでもいいか」だったという。今でも奥様とふたりでビールのグラスを傾け合う時が、至福の瞬間。「適度な量を毎日楽しむ。これが健康の秘けつかも」
○…60歳以上の男女が参加できる全国大会「ねんりんピック」に平成18年と平成21年に神奈川県代表として出場した。「もう一度、あの舞台に立つこと」が当面の目標だ。その予選会は5月。8射して的に当たった率で勝負を競う。「一発勝負だからこそ、勝ち目はある。体調を万全にして臨みたい」と意欲は十分。「あとは100歳まで弓を続けて、最年長の県代表も目指したいね」。満面の笑みが浮かんだ。
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