朝日アマ囲碁名人戦県大会で優勝した 角田 大典さん 南林間在住 21歳
中途半端はやりたくない
○…「全ての対局で全力を出し切った。素直に勝ててうれしい」。日本棋院と朝日新聞社が主催するアマチュア棋士日本一を決める権威ある大会。トーナメント制で地区予選から勝ち上がり、県代表の座を獲得した。思い出の一戦は、準決勝。負けがほぼ確定していたが、相手がミスした一瞬の隙をつき逆転勝利し、優勝への弾みがついた。「7月の全国大会も、県代表に恥じない攻めの碁をしたい」と意気込む。
○…囲碁との出逢いは9歳。「テレビゲームより面白いかも」と軽い気持ちで始めた。すぐにのめり込み、10歳でプロ棋士への狭き門である日本棋院の院生に。
「1日中棋譜を並べていても飽きなかった」。同年代がしのぎを削る姿に刺激を受け「中途半端はやりたくない」と両親に直談判し、高校は進学せず、碁1本で勝負に出た。プロになれるのは80人の院生の内、毎年わずか数名。院生を卒業し、18歳まで粘ったが、限界を見極め、夢を諦めた。
○…「碁盤に触れるまでに2年かかった」。生活のすべてが変わり、悩む日々が続いた。そんな時助けになったのは、院生時代に通った囲碁道場の先生や仲間たちの言葉だった。「『無理に忘れなくてもいい、別の道を進んだとしても応援する』。同じ立場だからこそ心に響いた」。自分の気持ちにけじめをつけようと、今回のアマ大会への出場を決めた。「プロへの未練はもうない、でもやるからには勝ちたい。碁を好きな気持ちは変わらない」
○…現在、大学を目指す受験生として勉学にいそしむ。社会勉強のため、ファストフード店でアルバイトも始めた。慣れないスマイルにとまどいつつも、丁寧な接客に評価も上々だ。一緒に住む両親は何でも話せる仲。「おしゃべりな母と寡黙な父。つっこみ役は僕」と笑顔。「何も言わずに応援してくれた父と母への恩返しは、次の夢を見つけること。どんなことにも挑戦したい」
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