大和市消防本部の消防長として、地域の防火や防災、救急救命などの指揮を執る 萩野谷 公一さん 深見在住 58歳
知識と経験を次世代に
○…市消防本部のトップに就任して1年が経った。市消防はこれから転換期を迎える。市の人口急増時代に大量採用した職員が、10年以内に定年を迎える。その数は消防職員全体の4分の1。「消防という仕事は、現場での知識と経験が何より大切。長年培ってきたものを、いかに次の世代に継承するかが急務です」。
○…消防職員となったのは19歳。「募集告知を見た親が、希望しない大学に進学してやる気をなくしていた私の姿を見て、勧めてくれたんです」。試験に合格すると大学を辞め、消防の世界へ。最初の10年強は、消防や救急などの現場を経験。転機は30代半ば、東京の消防大学校への派遣だった。そこで消防事務を学び、翌年の異動で総務課に。北分署の建て替え事業を担当し、完成までの6年半、地権者との交渉や業者との打ち合わせなどを行った。「消防ってこんな仕事までやるんだと思いました。自分なりに創意工夫したことが形になっていくのが、とても面白かった」。自身が「天職」と話すように、その後は事務職を歴任し、現場と事務、全ての消防部門を経験。「今はこの経験がとても役に立っています」
○…深見出身。当時は原っぱが広がり、友達と駆け回った。ベトナム戦争のころでアメリカ兵も多く「街中も日本語より英語の看板の方が多かったね」。小さい頃から足が速く、中学では陸上部短距離で活躍、高校もスポーツ推薦だった。「消防も入ってすぐは体力勝負な部分が大きく、上下関係も厳しい。運動部での経験がかなり役立ちました」
○…娘は結婚で独立し、両親と暮らす。2人の孫の話題では、「おじいちゃん」の表情に。若い頃は自動車レースやスキューバーダイビング、スキーと多彩な趣味も、「今は時間的に無理かな」と苦笑い。座右の銘は「基本のない応用はデタラメ」。「消防に入ったころ先輩に言われた言葉。今は職員だけじゃなく、孫たちにも伝えてます」
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