「公所の酒まんじゅう」の伝統的製法を受け継いだ 露木 みち子さん つきみ野在住
令和に伝える伝統の味
○…かつて公所と呼ばれたつきみ野、下鶴間周辺で伝統的に作られている酒まんじゅうの製法を5年前、地元の滝本早苗さんから手ほどきを受けた。最も難しいのが種作り。米麹と水、冷飯を混ぜ、発酵させる。三日三晩6時間ごとに撹拌を続け、10日から2週間ほどで完成するが、分量、温度管理、撹拌のタイミング…。どれを間違えても、種はすぐにダメになってしまう。滝本さんから譲り受けた種を元に、4年間絶やす事無く作り続けている。ここ数年は貧しい国へのボランティアで、半月ほど家を空ける事があるというが、帰国すると荷ほどきももどかしく、冷蔵庫にまっしぐら。種の状態を確認する。「麹は機嫌が悪いと発酵しない。もう心配で、心配で」と自分で思い出し、笑った。
○…町田市の生まれ。酒まんじゅうは、夏になると作ってくれる「お袋の味」だった。「気温に左右されるから…」と母から作り方を教わらぬまま、大人になってしまった。そのため滝本さんから指導が受けられると聞くと、取るものも取らず駆け付けた。出来上がった酒まんじゅうは「母と同じ味」だった。
○…酒まんじゅうに限らず料理は大好き。冷凍庫の中は「全部自分の手作りのもの」と少し得意顔。絵を描いたり、夫が主宰する書の会で写経をたしなんだりと好奇心は人一倍。最近凝っているは野草鑑賞。近隣を散策するだけでなく、高山植物を見に仲間と登山にも出かけている。
○…地元のNPO法人との協力で、今度は自らが師匠となり後進の育成に力を注ぐ。昨年は2度講習を開き、今年も6月以降、開催を予定する。自分なりのアレンジで、誰でも簡単に作りやすい方法も工夫する。プレッシャーでは、と水を向けると「今は楽しいばかりです」と笑顔が弾けた。
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