第32回大和市生涯学習センターまつりの実行委員長を務める 高野 勝廣さん 福田在住 75歳
謙虚に刻む 第二の人生
○…シリウスで活動する市民サークルが成果発表を行う生涯学習センターまつり。今年は体験を充実させ、光丘中の展示コーナーを設けるなど新たな取り組みも。「自己満足で終わらせたくない。多世代の方に楽しんでもらえるよう、準備は万端。あとは多くの人が来てくれれば…」と自信と不安をのぞかせる。
○…定年退職後の趣味として、成果が目に見えることを魅力に感じ鎌倉彫サークル「彫和会」の門を叩いたのが13年前。今では街を歩いて見つけた彫刻を写真で撮影し、ミリ単位で厚さを考えて図面に起こし制作するまでに。まつりでは、寺の衝立に彫られた鶴亀を模した最新作も披露する。
○…新潟生まれ。「これからは電機の時代だ」との父の言葉を頼りに、高校卒業後、大手電気機器メーカーへの就職を機に上京。当時画期的だったタクシー無線の製造にはじまり、情報端末やIC(集積回路)など、時代を変えた商品の製造設計に携わり仕事一筋の人生を送ってきた。「私の設計が、全国の製造拠点で使われることが何よりのやりがいだった」。設計の腕は鎌倉彫でも存分に発揮。「やっぱり、ものづくりが好きなんだろうな」と微笑む。
○…調理師だった兄が大和で独立を考え、準備を進めている矢先に交通事故で他界。代わりに移り住み半世紀になる。「兄の想いもあるから、地域のために何かしたい」と退職後に始めた毎朝1時間の清掃と登校見守りは14年目を迎え、市表彰も受けた。「子どもに汚い道を見せたくない。掃除は己の心もクリアにしてくれる」と清々しく語る。人の喜ぶ顔が見たいため、鎌倉彫も大部分は近所の人たちにあげるとか。「家中作品に囲まれたら、満足して創作意欲が落ちる性格なんでね」と頭をかいた。
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