大和美術協会の会長に就任した 田宮 久男さん 上和田在住 82歳
自分の眼(レンズ)を信じる
○…絵画展や芸術講演会の企画運営など、美術を通し大和市の文化の発展を目指す大和美術協会。そのトップとして会員48人を率いる。「会員は上手い絵を描く方々ばかり。伝統ある協会なので不安」と漏らすものの、1年前から吉田光男前会長に同行して会長職としての仕事を間近で学び、着々と準備を進めてきた。
○…同会は、市民のための公募展「大和展」開催を目的に2000年1月に発足。20回目を迎える今年は、6月にシリウスを会場に盛大に行われる。「子どもから大人まで楽しめる展覧会が理想。まずは作品を多く集めること。会場内のレイアウトをどうするかも腕の見せ所」と意気込む。
○…高校卒業後から定年まで、光学機器メーカー「ニコン」でレンズの設計・製造に従事。しかしカメラに興味は湧かず、一貫して趣味は絵描き。「フィルムに収めるより、自分の目で見て、その場で感じたことも含めてキャンバスで表現したい。なので写真を見て絵を描くのも嫌い」とキッパリ。自信がある題材は海。「海なし県」山梨で幼少期を過ごしたことで抱いた海や船への憧れが今でも色あせることはなく、漁船や漁港を何十年と描き続けている。「同じ題材でも、一つも同じ作品はない。そこが絵画の奥深さです」
○…会社の美術部で出会った女性と結婚し、32歳で大和に転居。2人の息子にも恵まれた。「今でも天気の良い日に妻と出かけ、二人してスケッチをする。互いに遠慮せずに黙々と描けるのが良い」。幸せが積み重なるように自宅に増えていくスケッチブックは、夫婦円満の何よりの証だ。一方、息子たちは絵に関心がなく、父の働く姿に影響を受けカメラが好きなのだとか。「嬉しいような、寂しいような。でも私の絵を家に飾ってくれていますよ」と目を細めた。
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