インターネット検索サイト最大手のGoogle(グーグル)日本支社が主催する同社ロゴデザインコンテストで2011年、12年と2年連続で、県立大船高校の生徒が入賞した。
同校初参加の一昨年は三船亜子さん(当時1年)が高校生部門の最優秀賞に。昨年は加藤鮎美さん(2年)が全国10万点以上の作品の中から、グランプリに輝いている。
そもそもこのコンテストに生徒の作品を応募したのは美術科教諭、浅野操さんの指導による。
同校着任3年目の浅野教諭は、「学校生活だけでは一般社会との接点は少ない」と以前から社会とつながる発表の場を持ちたいと考えていた。3年前にグーグル主催の「Doodle 4 Google」(ドゥードゥル・フォー・グーグル)というコンテストを知り参加を決めた。
若者の間ではグーグルで検索することを「ググる」と表現するように、同社検索サイトの活用は日常生活の一部となっている。入賞者は同社ホームページに掲載されることなどから、浅野教諭は生徒のやる気を引き出すのには最適だと考えたようだ。
肌で感じるプロ意識
浅野教諭の授業は、美術科ということもあり最初に課題のテーマと提出期限を提示、後は生徒が自主的に取り組むスタイル。質問があれば適宜対応し、講義形式はとらない。
「作品づくりを通して計画性など自己管理能力が養われる。作り方や描き方は自分の力で見つける。常に自分との闘い。この能力は受験勉強にも生きてきます」と話す。事実、美大現役合格者を多数輩出しているという。
以前は第一線で活躍するデザイナーだった浅野教諭。東京造形大学で室内建築を学び、卒業後はデザイナーとして大手企業系列の飲食店の商品ブランディングからメニュー作成、売上管理、また大手飲食メーカーの店舗デザインなどのマニュアル作成を担当するなど、その実績には目を見張る。
「高校生とふれ合うことは興味深い」として約10年前に横浜市都筑区の川和高校で非常勤として勤務。3年前に臨任として大船高に就いた。同校の古川美智夫校長は「実社会でこれだけの経験を持つ教員は珍しい」と評価する。
浅野教諭は、「いずれ教え子と一緒に何かできたらと思う。美大などを目指す人ともっとたくさん接点を持ちたい」と抱負を語る。
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