市内大町にある「きもの蔵人みやもと」は、今年創業140年になる。
4代目店主の宮本英光さん(54)によると、「元々医者の家だった宮本家に、初代の保次郎が藤沢から養子に入った明治6年を創業の年として数えている」という。
保次郎は医者にはならず、染め物や洗い張りなどを行う「悉皆(しっかい)屋」を始めた。「養子に入った年に徴兵令が制定されている。徴兵逃れだったのでは」と宮本さんは推測する。
第二次大戦中は横須賀基地の軍用資材の染色をしていたという。戦後、3代目が本格的に着物の販売を始め、4代目になった現在は、代行保管や着付け、ヘアメイクなど、着物に関する業務全般を取り扱っている。
「裏に埋めてある藍瓶の調子を見るために、祖父(2代目)が毎朝味見するんです。口の周りが青くなって怖かった」と宮本さんは幼少の頃を振り返る。
「着物は100年使えるもの。箪笥の中で着物が生きている限り、店も生きなくては」と今後の思いを語った。
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