鎌倉芸術館(市内大船)が10月1日、開館20周年の節目を迎えた。鎌倉市で新たな文化ホール建設に向けた動きが始まったのは1973年。「鎌倉市教育文化施設建設審議会」が発足し、建設地や施設規模について検討が続けられた。
市は86年、大船6丁目に建設用地を取得。90年には「鎌倉芸術館」の愛称が決定し、同年11月に着工。93年6月に竣工し、同年10月1日に開館した。2006年以降は指定管理者制度を導入し、現在はサントリーパブリシティサービスグループが運営している。
1500席の大ホールと600席の小ホール、3つのギャラリーを有する鎌倉の文化・芸術の拠点として市民に親しまれ、昨年度の来場者数は約79万人に上る。今年も自主公演として全25公演を開催する。
同館の総括責任者、竹田洋太郎さんは「日々、多くの市民の皆様にご来場いただき、感謝の気持ちでいっぱいです。鎌倉を代表する文化発信の地として、これからもたくさんの出会いと感動をお届けします」と話している。
「今、伝えたい事」明日開演
台本なし、筋書きなし、あるのは伝えたい「言葉」だけ―。
芸術館の20周年を記念して、こんなユニークな舞台が明日、同館小ホールで開催される。
舞台に立つのは、下は19歳から上は74歳まで、一般公募により選ばれた17人。参加者はいずれも演劇経験を有するがプロの俳優はいない。
今回の公演は通常の舞台とは全く異なるアプローチで進められている。参加者はこれまで10回のワークショップを通じて、「スナックのママ」や「アイドル」「保育士」「OL」など、自らが演じる人物を設定。講師を務める望月純吉さん(文学座演出家)とともに、その人物像や背景を練り上げてきた。
「機械製造会社の元社長・田村大助」を演じる西山慈恩さんは「他人が書いた台本ではどうしても気持ちが入らないセリフもある。自分の心からの言葉で芝居が作れることが楽しみ」と意気込む。
本番の舞台では出演者が登場人物になりきって、会話を重ねながら「ストーリー」を展開。観客も巻き込んだ予測不能のステージが繰り広げられることになる。望月さんは「回を重ねるごとに演じる人格が明確になっている。一緒に共感したり反発したり、出演者とお客さんが一つになった舞台になるはず」と話す。
演劇ワークショップ公演「今、伝えたい事―鎌倉芸術館に集う―」は、10月5日(土)、午後2時開演。入場は無料で全席自由。問い合わせは同館チケットセンター【フリーダイヤル】0120・1192・40へ。
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