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「障害者就労の場広げたい」 地元弁当店の取り組み

社会

掲載号:2014年5月30日号

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バーベキューセットの仕込み作業を行う利用者
バーベキューセットの仕込み作業を行う利用者

 障害者の就労機会を拡げようと2006年、「就労継続支援A型事業所」という制度がスタートした。これは国から訓練費等給付金を受け取る代わりに利用者(障害者)と事業所が雇用関係を結ぶもの。福祉施設が運営する作業所と一般企業の中間的な性格を持つ。

 この「A型事業所」を、一般企業として県内で初めて設置したのが手作り弁当の製造・販売を行う(株)バニーフーズ(材木座)だ。高橋良治社長にこれまでの取り組みと今後の課題について聞いた。

人の役に立ち成長

 高橋社長は09年夏、所属する中小企業の交流団体を通じてA型事業所の制度を知った。当時、同社では障害者の雇用を始めていたこともあり、「一般就労は難しいが、働ける人はたくさんいる。A型事業所はその受け皿になれる」と2010年の(株)ラビー(逗子市小坪)を皮切りに、(株)ラパンの2事業所を市内大町に開設した。

 現在、バニーグループ全体の従業員数は約110人で、知的・精神・発達障害を持つスタッフは56人。それぞれの障害による向き不向きや興味関心に合わせて弁当やパンの製造、回収した弁当箱の洗浄、訪問販売などの仕事に従事する。

 「仕事を覚え、慣れるのに時間がかかることも多い。しかし、人の役に立っていると利用者が感じることができた時、大きく成長する」と高橋社長。鎌倉市役所で弁当の訪問販売を担当している女性は「お客さんとのやりとりが楽しい。『これが食べたかった』と言われた時にやりがいを感じる」と笑顔を見せる。

経済的自立に向けて

 神奈川県によれば、2012年度、県内におけるA型事業所の工賃(給与に相当)の平均額は、時間額743円で月額6万9823円だった。雇用関係を結ばないB型事業所(作業所など)は時間額166円、月額1万2817円で、その水準には大きな差がある。

 高橋社長は「障害年金などで、ある程度の生活は保障されている。しかし、自分でお金を稼ぎ、経済的に自立することは利用者本人の自信につながる」と話す。稼いだお金を自分の好きなことに使ったり、家族と旅行する人もいるという。

 今後の課題は「知名度の向上」だ。比較的新しい制度で、企業や地域での理解や認知度が高いとは言えない。「さらに成功例を作り、制度を導入する企業とその利用者を増やしたい」と、高橋社長はA型事業所の全国的な交流組織の設立へ向けて奔走している。

 バニーフーズへの問い合わせは【電話】0467・22・1188へ。

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