神戸で小学1年生の女児が犠牲となる事件が発生した。卑劣な犯罪から子どもたちを守るために保護者は、地域は、どうするべきか―。防犯ボランティア団体「鎌倉ガーディアンズ」代表の大津定博さんに聞いた。
「早期の防犯教育を」
「またこの年齢の子どもが被害者になってしまった」。神戸の事件を受けて表情を曇らせる大津さんは、かねてから「7歳児の危機」を訴えてきた。小学校に入学すると、自立が求められる日本の子どもたち。好奇心旺盛な時期でもあり、下校時や放課後など一人で行動する機会が大幅に増える。「その隙を犯罪者、特に児童性愛者たちは狙っている」という。
大津さんは10年近く市内の幼稚園や小学校、自治会などの防犯教室で講師を務める。神戸と同様に小学1年生の女児が被害者となる事件が発生した奈良県や広島県の現場には、自ら足を運び取材した。
こうした経験から「早い時期に、家庭を含めたあらゆる場面で防犯教育を徹底することが欠かせない」と考えてきた。「小学生2〜3年生になってからでは遅い。幼稚園くらいから始めるべき。いざという時に必要なのは、自分の身は自分で守る覚悟だ」と言う。
特に自らの防犯教室では左上表の3点に絞って伝えている。「いざという時、大人でも大声が出ないと言われる。普段から『助けて』と叫ぶ練習をすることは大事。『石になる』はその場にしゃがみこむだけで、重心が下がり車に乗せたり連れ去りにくくなる。20mは電柱2本分の距離。たったこれだけ走れば犯罪者は追って来られなくなると言われています」。
地域の見守り不可欠
もう一つ欠かせないのが「地域の力」だ。神奈川県警は10月6日から10日を「こどもの犯罪被害防止対策強化週間」として、県内各地でキャンペーンを展開。その一環として、10月10日には御成小学校で青少年補導員や防犯指導員らが、下校する児童に声かけを行った。参加した鎌倉防犯協会の大村貞雄会長は「鎌倉でもいつ凶悪犯罪が起こるか分からない。子どもが犯罪にあわないために、地域全体で見守っていきたい」と話す。
だがこうした善意の大人を装って犯罪者が近づくことも考えられる。「知らない人についていかない」は防犯の基本だが、子どもにとってどういう人が「知らない人」なのだろうか。
大津さんは「返事を求める大人は注意が必要だ」として「どこから来たの」「お父さんは何をしている人」などと言って、個人情報を聞き出そうとする人間に注意を呼びかける。実際市内では「道を案内してほしい」と子どもに声をかける事案も発生しているという。
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