今泉台町内会(田島幸子会長)が、約2100ある全世帯に「家族安心カード」を配布した。カードには住所や氏名、血液型といった基本情報のほか、かかりつけ医、治療中の病気、服用している薬、アレルギーといった健康情報や緊急連絡先を記入してもらい、急病になった際や災害時の対応に役立てるのが狙い。カードの入ったケースの保管場所は各家庭の冷蔵庫に統一しているのが特徴だ。
災害時念頭に
高齢者を対象に健康情報などを記入するカードを配布する例はあるものの、自治体の全世帯に配布するのは珍しいという。
背景にあるのは45%を超える同地域の高齢化率。老老介護世帯や独居世帯も増加しており、普段の生活はもちろん、災害時に住民同士で助け合う体制の強化が課題となっている。
そこで昨年9月、当時、防災部長だった前田陽子さんが他市を参考に「安心カード」の配布を発案。「子どものアレルギー情報や普段飲んでいる薬など、高齢者に限らず災害時における住民同士の助け合いや、救急救命活動に役立つ」と全世帯への配布を決定した。
専用のケースは予備を含めた2200個を用意。100円ショップ等で購入したり、シールを手作りするなどコストダウンの工夫をし、昨年11月に全世帯への配布を完了したという。
大船消防署や市総合防災課とも連携し「いざという時は冷蔵庫のチェックを」という情報を関係各所と共有している。
今回の取り組みに携わった同町内会前福祉部長の松永博美さんは「『カードを冷蔵庫に入れましたか?』があいさつ代わりにもなった。近所同士の交流促進にもつながれば」と期待を込める。
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