市民生活と行政とのかかわりや鎌倉市が直面する課題について考え、議会制民主主義や地方自治のしくみを学んでもらおうと毎年開催されている「かまくら子ども議会」が7月26日、鎌倉市議会本会議場で行われた。
子ども議会の開催は18回目で、当日は市内15の小・中学校から30人が参加。中村聡一郎議長による本会議さながらの進行の下、産業や人権など、9つの分野から30の質問をした。市側は松尾崇市長をはじめ、各部次長らが出席し、答弁した。
宿泊需要と民泊対策
第一小学校6年の小穴航勢さんは、2年後の東京五輪のセーリング競技開催に伴い、観光客の増加が見込まれる一方、市内の宿泊施設が非常に少ないことを指摘。民泊などの対策について質問した。
これに対し、市長は「市には企業誘致の条例があり、市税を軽減し、宿泊施設などを作りやすいようにしている。現在、鎌倉警察署跡地にホテルが建設されている」と答弁。また民泊については「20件ほど申請があるが、閑静な住宅地に多くの観光客が訪れると住民が困ってしまう」と話し、多方面の事情等を考慮しながら対応していると答えた。
北鎌倉の隧道について
御成中学校3年の榊原賢さんは、2015年から通行止めとなっている北鎌倉駅付近の隧道について触れ、う回路の鎌倉街道は交通量が多く、路側帯しかないことから通学路としては危険であるとし、早急な対策が必要ではと尋ねた。
これに対し、担当次長は「文化財的価値があるため、どのような対策や工法があるのかを探っている。また今年度はボーリング調査(地質調査)を行っているほか、JRに対しホームの通行について相談を行っている」と答えた。
外国人らの避難誘導は
御成小学校6年のカンタタム・スカイさんは、地震や津波等の自然災害が起きた際、外国人観光客に正確な情報をどのような手段で伝えるかについて質問。またハンディキャップのある人へ市が行っている対応についても聞いた。
市長は、「通常は無線やメールで注意を促しているが、日本語に不慣れな人、パソコンやスマートフォン等がない人、ハンディキャップのある人には確かに伝わりにくい」とし、津波の際に活用する英語表記入りの誘導旗「オレンジフラッグ」があると紹介した。
担当次長は「文字が読めなくても分かるようにピクトグラム(絵文字)で表したり、看板を作りかえる際に英語を併記したりしている」と回答。また、ハンディキャップのある人については本人の了解を得て、手助けが必要な人をリストアップし、対応方法を確認するなどしていると話した。
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