「GELATERIA SANTi」(御成町2の14)の松本愛子さん(34)が考案したジェラートが8月31日と9月1日、大さん橋ホールで開催された「ジェラートワールドツアージャパン2019横浜」で2位に選ばれた。
この大会は、4年に1度各国の代表を集めて開かれるジェラートの世界大会への日本代表を決めるもの。予選を通過した12人の商品を会場を訪れた2万人の来場者(65%)と有識者からなる審査員(35%)の投票で順位を決定する。
松本さんが出品したのは、「ローズマリーハニー〜森の木の実と共に〜」。神奈川県内のハーブ農園で栽培された無農薬のローズマリー、鎌倉エコニカ養蜂園の柑橘系の花からとれた非加熱ハチミツ「美波」、放牧牛のミルクとで作ったジェラートに、アクセントとしてキャラメリゼした数種のナッツを添えた。
このフレーバーは、大会のために考案したものではなく、日頃から店舗で出しているもの。客からの評判もよく、100種類以上販売してきたフレーバーの中でも1、2位を争うという。
2日間で160kgもの商品を製造し、提供する大変さはあったものの、「私たちの思いの詰まったジェラートを高く評価してもらえてうれしい」と笑顔を見せる。
SANTiは昨年4月にオープンしたばかり。
店は御成通りのカメラ店横の路地を入った場所にある。「少し分かりづらいですが、人通りの少ないこの場所をいいねと言ってくれる方も多くて」。中年の男性が1人で立ち寄ったり、小さな子は店の裏を走る江ノ電を楽しんだりと、客層も幅広い。
転機は世界の旅
元々、公認会計士だった松本さんがこの道に進んだのは、2014年、2年間休職し、夫と共に世界を旅する中で、訪れたジェラートの本場イタリアで世界大会に出くわしたのがきっかけだった。
元々甘いものや食べることが大好きだったという松本さん夫妻。「一流の味」の衝撃は大きく、「自分もいつかこの場に立ちたい」というのが新たな夢となった。
帰国後、一時は復職したものの、退社し、専門のスクールでイタリアの製造技術や理論などを学んだ。「ジェラートはどんな素材をどう組み合わせるかが鍵。何度も試作を重ねる時もあれば、その場ですぐ販売可能なものができる時も。デリケートなので温度管理も重要ですね」と話す。
地元素材生かす
店舗を開くにあたり、選んだのは、食への意識が高い鎌倉。商品の素材を探す中で出会った農家などに鎌倉の人が多かったことも決め手になった。
同店では、湘南エリアを中心に地元の素材を活用。余剰品や規格外の農産物も買い取って使うほか、ジェラートに加工したものを農家が地元で売るという取り組みも行っている。
オープンから1年半、来店者の多くが地元の人だったという。「『○○さんの紹介で〜』と口コミで訪れる方がだんだんと増えてうれしかった。大会を終えて、いかにたくさんの方に支えてもらってきたかを改めて感じました。これからもおいしいジェラートを作り続けます」とほほ笑んだ。
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