市内で活動する芸能・祭囃子団体がその腕を披露する「鎌倉郷土芸能大会」が10月27日(日)、光明寺本堂で開催される。午前11時から午後3時50分まで。入場無料。50回目を迎える今年は玉縄中学校から筝曲部と特別支援学級8組(和太鼓)が初出演。大舞台を前に、生徒たちは目下練習に励んでいる。
筝曲「心地よい響き伝えたい」
桐の木材に張られた13本の弦を、指につけた筝爪ではじいて音を出す日本の伝統楽器「筝」。玉縄中学校には、この筝を使って活動する筝曲部が市内で唯一存在し、部員一同、合奏を楽しんでいる。
同部は1974年の開校当時、校歌を作曲した音楽教諭・野口昌孝氏が「鎌倉らしい特長のある部を作りたい」と発足。以来、40年以上にわたって「箏の魅力を伝える」という目標のもと、先輩から後輩へと技術が受け継がれてきたという。
現在、同部には16人の部員が所属し、市内の高齢者施設や祭り、イベントなどで演奏を披露している。ほとんど中学に入学してから初めて箏に触れる生徒ばかりだが、楢原礼美副部長(2年)は「音の響きや余韻が独特で、弾いていて気持ち良い」と魅力を語る。
9月に3年生が引退し、1・2年生だけで舞台に立つのは今大会が初めて。向田悠花部長(2年)は「吹奏楽のように指揮者がいないので、音の強弱やタイミングを合わせるのが難しい」とパート練習と合奏を織り交ぜながら、チームの一体感を出していくという。
大会当日は『お江戸日本橋』ほか、2曲を演奏予定。顧問を務める弓予姿子教諭は「こうした機会をもらえて大変光栄。生徒たちも成長できるチャンスなので、持てる力を出し切ってほしい」とエールを送る。向田部長は「箏の心地よい音色をたくさんの人に知ってもらいたい」と意気込む。
和太鼓クラス伝統の音奏でる
知的障害などがある子どもが所属する特別支援学級「8組」では、地域で活動する女性和太鼓グループ「玉縄太鼓」の指導の下、10年以上にわたって総合的な学習の授業の中で和太鼓の演奏に取り組んできた。
練習の成果は、例年同校の体育祭・文化祭「玉中祭」や地域の行事「玉縄まつり」などで披露。2年前には、県内で開催された全国中学校総合文化祭の舞台にも立った。
今回演奏するのは、東日本大震災の後に「希望溢れる未来になるように」と願いを込めて作られた『希望』という演目。現在、1〜3年生の男女11人が練習に励んでいる。
「郷土芸能大会への出演は初めてで、舞台も国の指定重要文化財という特別な場所。普段以上に姿勢や声、立ち振る舞いなど、お客さんへの『見せ方』に力を入れて練習をしている」と話すのは中村洋輔教諭。
長年、8組での指導を続ける「玉縄太鼓」の稲垣真知子代表は「生徒も指導する先生も、意識や腕がどんどんレベルアップしている。皆が頑張ってくれることが私たちの活動の励み」と笑顔を見せる。
本番を目前に控え、「もっと声を出そう」「目線はお客さんの方に」と練習にも、より一層熱が入っている。カメラで演奏の様子を撮影し、改善点を確認するなど、生徒たちのやる気も十分だ。27日は、ねじり鉢巻きに揃いの青い法被姿で、8組伝統の音を響かせる。
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