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健康管理に必要な生活習慣コラム【10】 ピロリ菌感染と胃内視鏡検査について 取材協力/柳川クリニック 柳川健院長
Q・56歳男性です。2年前に胃内視鏡検査を受けた際、ピロリ菌感染を指摘され除菌療法を受けました。1度除菌が成功したら、再度ピロリ菌が感染することはないのでしょうか?
A・ヘリコバクターピロリ菌(以下ピロリ菌)は、水や食べ物によって口から入って胃に感染する細菌です。この菌が胃の粘膜に生息すると慢性胃炎になり、胃潰瘍や胃癌になりやすいです。
以前は、井戸水など菌に汚染された水を飲む事で感染することが多かったです。しかも、6歳以下の乳幼児期に感染する事が多く、ほとんどの人は2、3歳までに感染したと考えられています。それは、小さな子どもの胃の酸度が低いためです。現在の日本では、大人が子どもへ口移しで食べ物を与える事でピロリ菌感染する事が多いと考えられています。ただし、1984年にピロリ菌を発見し、後にノーベル賞を受賞したマーシャル先生は、自らピロリ菌の培養液を飲んで胃潰瘍となり、成人でも菌数が多ければ感染が成立する事を実証しています。
今回のご相談者は、2年前に除菌療法を受けてピロリ菌がいなくなっていれば、基本的には今後感染する可能性はほとんどありません。ただし、除菌療法後に各種検査(呼気検査や便中抗原検査等)にてピロリ菌の反応が陰性になっても、実際には少量の菌が残っている事もあります。
胃内視鏡検査で胃の粘膜状態を見ると、ピロリ菌が感染しているか否か多くの場合は分かります。また、除菌療法後には胃の病気にならないというわけではありませんので、ぜひ除菌後も定期的に胃内視鏡検査を受けて下さい。
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